2021年並みのワクチン推し。その種類は増えて…
今回ご紹介しますのは、9月1日の米ニューヨークタイムズの「この秋のワクチンについて」という記事で、要するに、この秋に、
・コロナワクチン
・RSウイルスワクチン
・インフルエンザワクチン
を「すべて接種しましょう」という親切な提案です。
そして、おそらくは日本でも似たようなメディア記事が出てくるはずです。
現在、日本では、新型コロナの流行が急激に拡大していますので、推奨する時期としてもタイミングが合っています。
以下のように、新型コロナの陽性率は、前回の流行波とほぼ並んでいます(実際は、検査数そのものが以前より著しく少ないと思われますので、前回の流行波を大幅に超えているものと見られます)。
新型コロナ・リアルタイム流行・疫学情報
moderna
季節性インフルエンザも、この夏の中、香川県では「早くも流行入り」したという異常な時期の流行入りが伝えられています。
・[香川県でインフルエンザが「流行入り」]という8月の状況の報道
BDW 2023年9月1日
RSウイルスワクチンも、アメリカでは「妊婦さんへの接種が承認された」ことが報じられていました。以下で解説しています。
(記事)RSウイルスワクチン、そして子宮頸がんワクチン等からあふれ続けるポリソルベート80や「DNAの断片の検出」というキーワード
In Deep 2023年8月23日
日本でも、RSウイルスワクチンが承認されましたが、報道では、現時点では 60歳以上が対象となっています。しかし、コロナワクチンの際の「接種対象の年齢幅の時間的変化」を思いますと、そのうち妊婦さんへの接種も承認されると思われます。
ニューヨークタイムズの記事は、「 3種類を全部打つのが望ましい」という内容です(苦笑)。
この秋からは、特に、子どもや若い人、そして妊娠されている方々には本当に慎重な対応を望みます。
安易にこういうものに乗せられてしまうと、取り返しがつかなくなる可能性もあります。
このニューヨークタイムズの記事の反対を行えばいいだけですが。
この秋のワクチン接種
Vaccines for Fall
NY Times 2023/09/01
新型コロナウイルス感染症の症例が増加している。そして、インフルエンザの季節が近づいてきた。さらには最近、RSウイルスとして知られるウイルスに対する新しいワクチンが利用可能になった。
このような開発が続く中、多くの人がどのワクチンをいつ接種すべきなのか疑問に思っていることだと思われる。本日は、そのためのガイドを提供したい。
私が専門家たちから聞いた主なメッセージは、アメリカ人は呼吸器感染症ウイルスに対する考え方を変える必要があるということだ。
ここ数年の寒い季節(ウイルスが最も蔓延する時期でもある)、私たちは新型コロナウイルスのことで頭がいっぱいだったが、しかし今年は、より幅広いアプローチを取る必要がある。
「考えなければならないのは新型コロナウイルスだけではありません」とワクチン専門家で近々出版予定の本『反科学の致命的な台頭』の著者であるピーター・ホテズ博士は言う。
良いニュースは、新型コロナウイルスを含め、今シーズンに流行する可能性のあるすべての主要なウイルスのリスクを軽減するワクチンと治療法があるということだ。
「過去数シーズン、新型コロナウイルスが私たちを支配しているという考えがありました」と CDC 首席副局長のニラフ・シャー博士は私に語った。「新型コロナウイルスだけでなく、その他のウイルスに関しても形勢は変わったのです」
1. RSウイルス
検討する価値のある最も当面のステップは、RSウイルス (呼吸器合胞体ウイルスの略) に関するものだ。ミシガン大学の疫学者エミリー・マーティン氏がニューヨークタイムズ紙に語ったところによると、これは冬によく見られるウイルスで、通常は軽い風邪のような症状を引き起こすが、幼児や高齢者にとっては危険な場合があるという。
この春、連邦政府は 60歳以上を対象とした初の RSVワクチンを承認した。該当する場合は、今すぐ RSウイルスワクチンの接種を受けることを検討してほしい。CDCのシャー氏は最近、(妊婦の)母親にそうするよう勧めた。
なぜ今なのか? RSウイルスはインフルエンザよりもやや早く流行する傾向がある。元ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策顧問で現在ブラウン大学公衆衛生学部の学部長を務めるアシシュ・ジャー博士は、60歳以上なら「RSウイルスワクチンを受けずに 11月を迎えることは望ましくない」と語る。
幼児の場合はどうだろうか? 彼らのための RSV ワクチンはないが、8か月未満の子ども (および一部の子ども) は、重症化を防ぐために事前の抗体治療を受けることができる。親は小児科医にそれについて尋ねるとよいだろう。だが、これは新しいものであるため、まだすべての病院でこの治療が受けられるわけではない。
2. インフルエンザ
インフルエンザによる公式の死者数は例年約 3万5000人だが、実際の死者数はおそらくこれを上回るだろう。ジャー博士が私に語ったところによると、インフルエンザは体を弱らせ、特に高齢者の間で心臓発作や脳卒中がより一般的になるという。
「私たちは呼吸器ウイルスが国民に与える影響を過小評価しています」とジャー博士は言う。「インフルエンザは、若い人であっても、数週間ダメージが与えられ続ける可能性があります」(※ コメント / ないない)
しかし、より多くの人がワクチン接種を受ければ、インフルエンザの感染者数は減るだろうと言う。
近年では、インフルエンザワクチンを接種するアメリカ人の割合は半数にも満たないのだ。
今年のインフルエンザワクチン接種は現在、ドラッグストア、病院、診療所などで入手可能だ。ただし、入手するには 9月下旬か 10月まで待った方がよいかもしれない。
インフルエンザの流行期は 12月から 2月に最も重症化する傾向があるため、9月下旬か 10月に接種すれば、その月の間、重篤な病気に対する予防接種の防御力は最も強力なレベルに近い状態のままとなる。
3.コロナウイルス
新型コロナに対する最善の防御策は変わっていない。それはワクチンと感染後の治療だ。これらは、高齢者や免疫力が低下している人など、脆弱な人々にとって重要だ。
「入院している人たちは、圧倒的に、ワクチン接種を受けていないか、ワクチン接種が不十分な人たちなのです」とホテズ博士は述べた。
連邦政府は、最近の変異種に対抗するために設計された最新の新型コロナウイルスワクチン接種を 9月中旬に承認する予定だ。
すべての成人が、追加接種を受けることを検討する必要がある。多くのアメリカ人は現在、1年以上免疫を持たずに過ごしており、免疫力も低下している。(※ コメント / 打つとさらに免疫下がりますし)
50歳未満の人が新型コロナウイルスに重篤になることは依然として稀であり、特にワクチン接種を受けた人や、過去にウイルスに感染した人は重症化しにくいだろう。しかし、たとえ入院するほどではなくとも、新型コロナウイルス感染は依然として厄介な状況に陥る可能性がある。ブースターショットはそのリスクを軽減する。
シャー博士は、子ども(生後 6か月以上)たちも、この秋に新型コロナウイルスの予防接種を受ける必要があると主張している。
「私たちは自分自身だけでなくもっと大きなことを考えるべきです」と彼は私に言う。「おじいちゃんに会いたいですか? おばあちゃんと一緒に出かけたいですか?彼らに新型コロナウイルスを感染させないと本当に思っていますか?」元気のある高齢者でも重度の新型コロナウイルスに感染する人たちもいる。 (※ コメント / 2年前に見られた「おじいちゃんに会いたいですか?」がまた使われています)
良い戦略は、9月下旬か 10月に新型コロナウイルスの追加接種とインフルエンザの予防接種を同時に受けることかもしれない。
また、高齢で新型コロナウイルスに感染した場合は、パクスロビッド(ファイザー社のコロナ治療薬)の服用や別の治療法について医師に相談してほしい。それは大きな違いを生む可能性があります。52歳で健康なジャー博士は、「新型コロナウイルスに感染したら、必ずパクスロビッドを服用するつもりです」と語った。
結論
ここでは、さまざまなワクチン接種を受ける理想的な時期について具体的なアドバイスを提供した。ただし、大事なみとは接種のタイミングについてではない。
シャー博士は、「私が述べたいのは、 3つのワクチン接種の時期の問題ではなく、接種の資格があれば、3つすべてのワクチンを接種できるということです」と述べている。