2016年7月2日の米国PBSより
・Florida confirms 10 new cases of Zika virus as U.S. total nears 1,000
アメリカ本土で約1000人。自治区で2000人の感染者が発生
いよいよ北半球も本格的な蚊のシーズンとなりつつありますが、アメリカでのジカウイルスの感染例が拡大しています。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の 2016年7月1日の発表によれば、その日までのアメリカでのジカウイルス関係のデータは以下のようになっています。
・アメリカ本土でのジカウイルス感染者数 約 1,000人
・そのうちフロリダ州での感染者 246人
・アメリカ属領自治区(プエルトリコなど)の感染者数 2,026人
・妊娠している女性の感染者 537人
・ジカウイルスが原因と見られる先天性欠損症(小頭症)例 5例
そして、これから、ジカウイルス患者が拡大し続ける予兆として、この 7月1日には、1日で検出されたジカウイルス感染例の数としては最大の「 1日 10人の患者が確認された」ということが CDC から発表されています。
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下は、CDC の発表したアメリカ本土の州別のジカウイルス感染状況です。色が濃くなればなるほど、感染者数が多いことを示します。
CDCが2016年7月1日に発表した米国のジカウイルス感染者数の州比較
大多数の州で感染者が出ていますが、フロリダ州と、なぜかニューヨーク州が多いです。
大部分が、海外で感染して米国内で発病したものだと思われますが、これから蚊が多くなってきますと国内感染も増加してくるものと思われます。
下の青い部分が、ジカウイルスを媒介するヤブカのアメリカ国内の分布域で、西はカリフォルニアから、東はニューヨークまで、かなりの広い範囲に渡っています。
米国のネッタイシマカの分布(水色の部分が生息域)
・CDC
また、ジカウイルスが性交渉によって感染する確率が、以前考えられていたよりも高いということが言われはじめていまして、最近のニューヨークタイムズでも、大きく扱われていました。
日本なども含めて、これから蚊のシーズンですが、気候次第では、かつてのデング熱のように複数の感染例が発生しないともいえないかもしれないですが、とはいっても、蚊に刺されることを完全に防ぐというのも難しいことで、今年の夏は、あるいは、今年以降の夏は、なかなか厄介なのかもしれません。
ジカウイルスに対しての懸念が杞憂かそうではないかは、オリンピックが終わった頃からはっきりとし始めるのではないでしょうか。