2016年7月2日の中国の報道より
中国の長江は、全長 6,300キロメートルもある大河で、これはアジアで最も長い川ということになり、世界でも3番目に長い川(1番はアマゾン川の 7,025キロメートル、2番はナイル川の 6,671キロメートル)ですが、その長江流域の地域に記録的な大雨が降り続いていて、長江流域の州で壊滅的な被害が出ています。
この洪水によって、7月3日までに 186人が死亡し、45人が行方不明になった他、5万6000軒の家屋が倒壊、300万ヘクタール近くの農地が被害を受けているようで、その経済的損失は、日本円で 8,000億円規模にのぼると見られています。
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長江は、上海から雲南省などにいたるまでの長い距離を流れる川ですが、今起きている洪水では、その流域にあたる州である湖北省、安徽省、貴州省、雲南省などの州で被害が拡大しています。
下の赤で塗った州が、報道ベースで洪水の被害が出ている州ですが、雨はまだ降り続いているようで、被害地域は広まるかもしれません。
洪水で被害が発生している州
何しろ、長江は、上海や南京などの商業都市に面している他、中国の 19の省と自治区を通り、その流域には 4億5000万の人々が暮らしています。
今回の大雨により、長江のいくつかの支流で 1955年以来の洪水となっているということで、数十年に1度の大洪水となっているようです。
長江支流の呉江川の氾濫の後
川の増水のため渡ることができなくなった橋 / 安徽省
建物から救出される女性 / 貴州省
さらに、7月3日に発生した台風1号(アジア名:ニパルタック)が、現在の洪水の被害地域の方向に真っ直ぐに進んでいます。
台風1号の進路予想図
・台風情報
中国当局は、今後数日は雨が降り続くという予測を立てていますが、その後には台風が近づくわけで、今回の中国の洪水は、かなり激しい規模になる可能性があるかもしれません。