バングラデシュに 5月12日から 14日までの3日間続いた悪天候の中、落雷が原因で 60名以上が死亡するということが起こりました。落雷だけで、このような多くの人の命が奪われるというのは過去には例のないことだそうです。
落雷で破壊された家々
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これは日本語でも報道されていて、下は AFP の報道です。
こちらの記事では、死者 59人となっていますが、その後、バングラデシュ当局は、死者 64人と発表しています。
バングラデシュで「前例ない」落雷被害、3日間で59人死亡
AFP 2016/05/16
バングラデシュでは先週末にかけ、各地でモンスーンシーズン前の雷雨が発生し、3日間で落雷により59人が死亡した。
災害対策当局の関係者はAFPに対し、バングラデシュ各地で落雷によって12日に34人、続く2日間で25人が死亡したと述べ、「落雷でこれほど多数の死者が出たことは前例がない」と語った。
犠牲者の多くは水田で農作業中だった人たちだという。
落雷による死者が増加していることについて、気象専門家のシャー・アラム氏は、避雷針の役目を果たしていたヤシなどの高木が伐採されたことや、農作業中に携帯電話など金属製品を身に着ける人が増えたためではないかと指摘した。
ボイス・オブ・アメリカの報道によれば、バングラデシュでは、今年に入ってから 90人以上が落雷で亡くなっているのだそうです。
ちなみに、一応書いておきますと、この AFP の報道にあります「落雷による死者が増加している原因」についてのバングラデシュの気象専門家の人の話である、
> 携帯電話など金属製品を身に着ける人が増えたためではないか
に関しては、これはあまり関係ないと思われます。現在の見識では、落雷時に金属を体から放すことは無意味であることがわかっていて、むしろ金属を身につけていたほうが落雷を受けた時の生存率が高まることも明らかになっています。
金属類は、そのままを身につけておいても雷を引き寄せない。(*1)
身につけた金属類(ヘアピン、アクセサリー、金具付きの服・下着、カメラ、ラジオ、水筒など)に気を払うより、安全度の高い場所に一秒でも早く逃げることが先。
(*1) 金属が雷を引き寄せるため、体からはずす様に言われていたが、全くの誤りであった。落雷時に、人体より電気の流れやすい金属周辺の皮膚に軽度のやけどは負うが、雷の電流の多くが金属に流れる分、人体を流れる電流が減り、生存確率は上がる。
ということで、金属を外す必要はないというのが現在の落雷に対しての正しい見識です。
屋外で落雷に遭遇した時の正しい対処は、上のサイトによりますと、
・樹木の4m以内に近づかない
・雨が降っても、絶対に傘はささない
・低い姿勢を取る時は、寝そべらず、両足の間隔を狭くしてしゃがみ、指で両耳穴をふさぐ(足を広げておくと、落雷時に地面を流れる電流が体を流れ、負傷する)
などで、他にもいろいろと記されているので、ご参考下さい。
なお、日本ではどうなのかわからないのですが、最近、世界では激しい落雷が増えているように感じます。
これは統計的な話ではなく感覚的なものですが、SNS などに毎日のように落雷の様子が投稿されているのを見て、そのように感じた次第です。
下の写真は、この数日内で印象的だった落雷の様子です。
カザフスタン・アルマトイ 2016年5月15日
・via vk
クリミア・シンフェロポリ 2016年5月15日
・via vk
ポーランド・ポズナン 2016年5月12日
・via vk
今年の夏にかけて激しい気温と気候が続くようなら、私たちはさらに激しい落雷を見聞、あるいは体験していくことになるのかもしれません。