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パンデミック 異常な現象 疾病と感染症

パンデミック中に世界各国で「うつ病」が急激に増加。最も増加したのはメキシコとスウェーデン。2021年には成人の3分の1ほどがうつ症状を持つにいたる

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OECD (経済協力開発機構)が、統計が存在している世界の国でのパンデミック前と 2021年の「うつ病の有病率の比較」を発表していました。

それによれば、率として最も大幅な増加を示したのはメキシコで、2019年には 3%だったうつ病の有病率が 2021年には、28%に達していました。

数字として最大値を示していたのはスウェーデンで、パンデミック前に 11%だったうつ病の有病率が、2021年には 30%に達していました。

この数値が正しければ、現在のスウェーデンでは、成人の3人に1人ほどが、うつ病か、あるいはうつの症状を訴えているということになります。

以下は、OECD のデータグラフ化した統計サイト statista の図です。こちらで日本語にしています。


statista

スウェーデンは、もともとうつ病の有病率が高い国ですが、それがパンデミック期間中にさらに増加したことになります。スウェーデンは、強固なロックダウンをおこなわなかったにも関わらずです。

もともとスウェーデンという国は、

「人口 1000万人の 10分の 1に当たる約 100万人が抗うつ剤を服用している」

ということが 2019年に報じられていましたが、パンデミック以前にスウェーデンは問題を抱えてはいました。2019年の以下の記事などでふれています。

ヨーロッパで始まる新しいタイプの内戦 : 手榴弾抗争が続く「スウェーデンの憂鬱」に見るこれからの世界
In Deep 2019年11月30日

なお、正確な数値の比較ができないことにより先ほどの統計にはないのですが、2021年の時点で、最もうつ病の有病率が高かったのは韓国だと statista は述べていて、韓国の 2021年の成人のうつ病の有病率は「 37%」だと推定されていることにふれていました。大人の 4割近くがうつ状態にあるようです。

グラフでは、オーストラリアも非常に増加していますが、ロックダウン下で、オーストラリアが自死あるいは自殺企図の嵐に見舞われていたことを以下の記事で記しています。

オーストラリア:封鎖の中で「4人に1人が周囲で自殺あるいは自殺未遂した人を知っている」と調査に回答
地球の記録 2021年9月12日

 

2020年のアメリカのロックダウン下でも似たような感じでした。

世界中の多くの若者たちのメンタルヘルスの状態はそろそろ限界なのでは。アメリカでは「4人に1人の若者が本気で自死を考えた」と回答
In Deep 2020年9月28日

 

そして、2020年の以下の記事で書いたことがありますが、「メンタルの危機は、事態が終わって、かなり後から来る」のです。以下の記事でふれています。

「今起きていることは通常のメンタルヘルス・カタストロフではない」
In Deep 2020年7月18日

この記事に、英ケンブリッジ大学による『災害精神医学の教科書 (Textbook of Disaster Psychiatry)』という著作を引用したアメリカの記事を抜粋していますが、以下のようにあります。

心理的障害の発症は、時期的にずっと後になってから起きる可能性がある。

『災害精神医学の教科書』は、今後パンデミックが沈静化したとしても、現在すでに見受けられている深刻なメンタルヘルスケアの需要は、さらに急増する可能性があることを警告している。

このパンデミックが、今後、強迫性障害、広場恐怖症、および性恐怖症など広範に重大な拡大を見せることが懸念される。それに加えて、慢性疲労症候群などの神経系の疾患の影響の可能性が増加することも言うまでもない。The Atlantic

まだパンデミックのゴタゴタは収まっていませんが、「その後」から本格的なメンタルヘルスの問題が世界各地で発生します。

その事後処理は大変なことだと思われます。







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