2016年7月4日の韓国メディアより
7月5日に、韓国の釜山沖を震源とする地震がありました。この地震は、マグニチュードが 5.0ということで、地震の非常に少ない韓国としては、異例の規模の地震ということになりました。
これは、韓国の地震としては、1980年以降、36年ぶりの大きな地震となったということのようです。
7月5日の韓国沖の地震の震源
・Google Map
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この地震で韓国のかなり広い範囲で揺れを観測し、日本でも九州などで震度1などの揺れを観測しています。
日本でも韓国でも、特に被害は報告されていませんが、韓国では、今年になって、平年より地震が増えていることもあり、冒頭の報道のように「韓国は地震の安全地帯ではない」というような報道となっているようです。
まあ、増えたとはいっても、冒頭の記事によれば、
> 今年 1月1日から 6月7日まで、韓国では 2.0~ 3.5の地震が 30回発生した。
ということで、このクラスの地震の 30回でしたら、日本では、2日とか、場合によっては1日で到達するものですので、日本がいかに地震の多い国で、韓国がいかに地震の少ない国かということを改めて知ります。
ちなみに、その前日の 7月4日には、鹿児島県の南西諸島にあるトカラ列島で「1時間以内に 10回の揺れを記録」した群発地震が起きています。
2016年7月4日の地震情報より
・地震情報
このあたりの広い範囲で、地質活動が活発になっている感じもうかがえます。
冒頭の韓国の報道をご紹介しておきたいと思います。
「朝鮮半島は地震の安全地帯ではない」。今年だけで30回発生している
東アジアの地質環境が大きく変わり、地震の頻度と規模が高まっている
朝鮮半島は「地震の安全地帯ではない」という懸念が再び提起されている。
7月5日午後 8時33分頃、蔚山海域で規模 5.0の強い地震が発生したためである。
朝鮮半島は地質構造上、日本とは異なり、プレートの境界にはなく、その内部にあるため、地震に対しては安全であるという観測が優勢だった。
しかし、最近、地震の発生頻度と規模が大きくなったため、朝鮮半島の地震安全論は徐々に力を失っている。
今年 1月1日から 6月7日まで、韓国では、マグニチュード 2.0~ 3.5の地震が 30回発生した。
1978年から 2015年までに発生した地震の回数は、合計 1千212回である。マグニチュード 5.0以上は、今回の蔚山の地震を含めて全部で7回だ。
今回の地震は、朝鮮半島で発生した地震としては希な、非常に大きな規模だ。
東アジア地域の地質環境の変化から、似たような規模の地震が発生する可能性が大きいと専門家らは見ている。
地質学を専門とする慶北大学のユ・インチャン教授は「今回の地震は、かなり大規模で、これは朝鮮半島と日本列島の間に北北東方向に伸びている断層が動いたものと推定される」と分析した。
ユ教授は「韓国は地震の頻発地域ではなかったが、最近、東アジア地域の地質環境が大きく変わったため、地震の頻度と規模が大きくなっている」として、「地質構造の変化を研究する必要がある」と提言した。
2011年には東日本大震災が起こり、今年 4月には、熊本など九州で大きな地震が発生した。日本で相次いだこれらの大規模な地震による朝鮮半島への影響も分析が進められている。
防災研究の専門家たちは、韓国でマグニチュード6を超える地震が起きる可能性も否定できないという。
韓国の都市部は耐震設計をなされていないものが多い。専門家たちは、大きな地震に対しての備えが必要だと述べる。
韓国気象庁の関係者は、「地震の回数は増加する傾向を示している」として、「朝鮮半島は地震の安全地帯ではないという警戒心を持って、地震関連事業に投資するつもりだ」と明らかにした。