日本での地滑りの発生件数が、過去 10年間で、平均 50%の増加を示していたことが政府の報告書によって判明しました。
この「 50%の増加」というのは、自然災害に関係する数値としてはかなりのものですが、この報道は、日本の英字新聞となるジャパンタイムズで知ったのですけれど、しかしなぜか日本語での報道が見当たらず、「本当なのかな」と調べてみますと、毎日新聞の英語版などでも報じられていましたので、そういう報告は政府からあったようです。
なお、日本での地滑りの件数は、平均数でいえば、以下のようになるようです。
・2000年 - 2009年に発生した地滑りの年間平均 1,006件
・2010年 - 2019年に発生した地滑りの年間平均 1,476件 (前10年より46.7%増加)
近年で最も地滑りが多かったのは 2018年で、3,459件の地滑りが発生し、昨年 2019年も、台風などにより 1,996件の地滑りが発生し、年々増加していく傾向は収まっていないようです。
2019年10月の台風19号による千葉の地滑りで救出にあたる自衛隊員たち
・防衛省資料より
今年もそろそろ雨のシーズンに入ろうとしていますが、過去 10年の傾向だけから見ますと、今年以降も大雨による被害の発生は増加するかもしれません。
日本の統計報道なのに、日本語報道がまったくない理由はちょっとわからないのですが、英語版の毎日新聞よりお伝えします。
日本の地滑りの数は10年でほぼ50パーセント急増した
Number of landslides in Japan surges almost 50 percent in a decade
The Mainichi 2020/06/26
6月26日、内閣によって承認された日本政府の報告書によると、過去10年間、毎年平均でおよそ 1,500回の地すべりが日本で発生していたことがわかった。そして、過去 10年間では、ほぼ 50パーセントの増加を記録していた。
この政府の土地、インフラ、および輸送に関する白書によれば、この傾向は、地球温暖化による集中豪雨の増加を反映しており、危険な土地の建物や居住者たちを、災害時により安全な場所に速やかに誘導すること、そしてそのような土地の開発の制限を求めた。
日本の年間の地すべりの数は、2000年から 2009年の間は、年間平均で 1,006回だったが、2010年から 2019年の間の 10年間には 46.7%増加して、年間平均 1,476回となった、
なお、1990年から 1999年の年間平均は 1,027回だった。
過去 10年間で、日本で毎時 50ミリメートル以上の降雨量が記録された頻度は、1976年から 1985年の間のデータの 1.4倍にのぼっている。
2018年には、日本は西日本での集中豪雨と北海道での大地震をきっかけとして、過去最大の件数となる 3,459件の地滑りに見舞われた。昨年 2019年は、台風ハギビス (台風19号 / 令和元年東日本台風)などの豪雨により 1,996件の地滑りが発生した。
報告書によると、日本は今月、地滑りの際に住民の生命が最も危険にさらされるレッドゾーン地域の開発に対する規制を強化し、自治体が提供できるシステムを導入する法的措置をとった。
日本政府の報告書は、悪天候に対しての堤防を強化し、地下水貯蔵施設を設営し、主要地域の避難を促進することにより、洪水の被害を減らすことを目指すと付け加えている。