ウクライナ全土に連日の空襲警報
ロシアのウクライナのインフラへの攻撃、特に電力関係施設への攻撃が連日のように続いていますが、米ワシントンポストなどが、ウクライナ全土で広範囲な停電と、そして断水を伝えています。
特に 10月31日に行われた大規模な攻撃では、ロシア国防省が、「攻撃の目標はすべて達成された」として、18カ所のインフラ施設を攻撃したことを発表しています。
攻撃は収まることがないようで、この攻撃の翌日の今日(11月1日)も、ウクライナの多くの地域に空襲警報が出されていることが報じられています。
ウクライナの多くの地域で、空襲警報が再び発せされた
11月1日の夜、ウクライナのドネプロペトロウシク、ポルタヴァ、ハルキウ、スミ地域で空襲警報が発表された。これは、通知用の公式リソースのデータから TASS通信によって報告されている。キエフが支配するザポロジエ地域の一部でも空襲警報が発表された。
10月31日には、ウクライナ全土に空襲警報が発令されたと報じられている。(RT 2022/11/01)
ロシア軍は徹底してインフラへの攻撃を続けているようで、その攻撃は、ミサイルと、無人偵察攻撃機(ドローン)で行われています。
最近、軍事分析メディアのディーガルの記事で知ったのですが、今回のインフラ攻撃に使われているかどうかはわからないにしても、ロシアには、「レーザーで探知・破壊されない」あるいは「 GPS を使用せず、自主的に攻撃目標を探す」という機能のドローンが存在していることを知りました。
以下にディーガルの記事の翻訳があります。
(報道) ウクライナへの攻撃に使われているロシアの戦闘用ドローンは「レーザーで探知されない」上に「GPSも使用しない」 (2022/11/01)
「ランセット」という名称の無人攻撃機なのですが、開発した企業は、「ランセットを探知したり、レーザーで破壊されたり、飛行不能にすることはほとんど不可能だ」と述べており、かなり高度な攻撃ができるドローンのようです。
ウクライナの市民にとっては、厳しい状況が続きそうです。
ワシントンポスト他の報道をまとめていた記事をご紹介します。
新たなロシアの空爆の後、ウクライナの首都の大部分が電力と水を使用できなくなった
Much Of Ukrainian Capital Without Power & Water After New Russian Airstrikes
ZeroHedge 2022/10/31
ウクライナの首都キエフの大部分は、10月31日に行われた最新のロシアによる大規模な空爆の後、電気も水もない状態だ。
ロシア軍は、国の重要なインフラ施設の複数に対する「成功した」攻撃を発表した。
ロシア国防省は、「ロシア軍は、ウクライナの軍事施設とエネルギー施設に対して、高精度の長距離空中および海上兵器による攻撃を行った」 と述べた。「攻撃は成功の目標に達した。割り当てられたすべての施設に命中した」
一方、ウクライナのデニス・シュミハル首相は、18か所の直撃を確認した。そのほとんどは国のエネルギー供給に関連していた。これらの猛烈な攻撃により、気温が急落しているウクライナでは、冬が近づくにつれて、パニック感が高まっている。
「ミサイルと無人機が 10地域を攻撃し、そのうち 18か所が被害を受けました。そのほとんどはエネルギー関連でした」とシュミハル首相は、テレグラムで述べている。「ウクライナの 7つの地域にある数百の入植地が遮断された」とも述べた。
チェルカースィとキロヴォフラドの施設も攻撃を受けた。ウクライナ軍は、リヴィウ地域上空で発射体を迎撃したと述べた。これにより、この国の西部は被害を免れた。
ワシントン・ポストは、「キエフ、ザポリージャ、ドニプロペトロフスク、ハリコフ地域で停電が続いている」と報じた。ポスト紙は、大規模な停電と給水の中断の影響を受けた以下の地域のいくつかをリストした。以下のように示されている。
・キエフ地域:ロシア軍が建物を攻撃し、救助隊が犠牲者を探していると地域警察は述べた。ヴィタリ・クリチコ市長は、この攻撃により首都の 80%が水不足になり、持続的な停電が発生する可能性が高いと述べた。
・ハリコフ: 2回の攻撃が東部都市の重要なインフラ施設を襲い、給水に問題が生じ、公共交通網に影響を与えたと市長は述べた。
・ザポリージャ地域:インフラ施設がロケット弾に襲われたと知事は述べ、南部地域の当局者から、エネルギー供給も影響を受ける可能性があるという警告が出されている。
・チェルカースィ地域:地域の一部は、 インフラ施設への空襲の後、電力を失ったと軍事管理者は述べた。
首都キエフのビタリ・クリチコ市長はテレグラムで、これらの新たな攻撃により首都の住民の 80%が水道が使えなくなり、約 350,000世帯が電気のない状態になったと発表した。
「最寄りのポンプや販売所から水を買いだめしてください」と市長はアドバイスしている。市長室は、市の影響を受けた地域への給水は、緊急時スタッフが復旧に取り組んでおり、3〜 4時間で回復するだろうと誓った。
伝えられるところによると、首都の救助隊は、ロシアの攻撃の新たな一斉射撃によって破壊または損傷した建物のがれきの下で、死傷者の可能性を探している。ただし、現時点では死傷者数は不明だ。在ウクライナ米大使とそのスタッフも、首都へのこの最新の攻撃で避難しなければならなかったと述べた。
10月31日の攻撃以前に、すでに、ウクライナの当局者は、国内の電力システムの 40%が深刻な被害を受けたと推定し、特に重要でない大型電化製品の使用を制限するよう、ウクライナ市民に促した。
極寒の冬が間近に迫っているため、ウクライナ人たちは長期にわたる停電に備えるようさらに警告されている。