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イタリア北部の暴風雨被害は歴史的な規模に。1400万本以上の森林の木々が倒され、「回復には1世紀かかる」

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11月4日の報道より


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ここ数日、イタリア北部の大雨被害について、いくつか記事を記しましたが、このイタリア北部の大雨による洪水、土砂崩れなどの被害が、地域としては歴史的なものになりつつあります。

冒頭の報道によれば、北部のヴェネト州では 1400万本の森林の木々が暴風や洪水などにより倒されたと報じられています。

イタリアの農業協会は、声明で、

「地域の森林の状態が元に回復するには1世紀かかるだろう」

と述べました。

11月4日 イタリア・ヴェネト州の森林


banglanews24.com

経済被害は、ヴェネト州だけで 1200億円規模になると推定されていますが、森林の正確な被害がまだわかっていませんので、さらに大きくなる可能性があります。

また、ジェノバなどイタリアの都市には建造物そのものに価値があるものが数多くありますが、それらの建物や景観などへの被害も大きく、観光の点からも長期的な経済的影響へとつながる可能性があるとヴェネト州知事は述べています。

廃墟のような景観となった場所も多く、また復旧もすぐにというようなわけにはいかないレベルの被害を受けている場所も多いようです。

ジェノバ近郊の海岸


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ベネチア北部 川の堤防の決壊で流された家


AP

この一連の暴風雨による人的被害も拡大しており、11月4日までに 20名が亡くなっていると伝えられています。

しかし、これで連続した悪天候が終わったというわけではないようで、気象専門家たちによれば、今のイタリアの気象は、

「過去 50年から 60年のあいだで最も複雑な状況となっている」

とのことで、天候の見通しも立てづらいようです。

最近のイタリア悪天候については、以下の記事を書かせていただきました。

イタリア北部で豪雨のために大規模な泥流が発生し、山間の小さな町ディマーロが破壊される

「水の都」から「水没の都」に : ヴェニスの75%以上が水に浸かり、洪水による水位は観測史上の記録を上回る

このようなことになっている原因として考えられることのひとつとして、今年の夏前に記しました以下の記事、

ヨーロッパの地中海での海水温度が完全に異常な状態となっており「通常より5℃高い」海域も。原因は不明

で取りあげました「地中海の海水温の異常」も継続して関係しているのかもしれませんし、その時の海水温度図でも、イタリア周辺が最も高い海水温だったことを思い出します。

2018年6月14日の地中海の海水表面温度の平年と差異


SST-CNR-ROMA-IT

ヨーロッパの地中海周辺の国や地域の天候異常がどこまで続くのかわからないですが、これらの被害の影響は長く続きそうです。

今年は、夏にヨーロッパ各地で大規模な山火事が続発し、その際にもヨーロッパ各地で「森林が消失」していましたが、今回は暴風雨で木々が消えています。







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