大量死 戦争の時代 異常な現象

「イスラエルは、ガザ戦争中に94人の大学教授、数百人の教師、数千人の大学生を殺害した」とスイスの独立人権団体が発表。知識人を意図的に標的にしている模様

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2023年11月6日にイスラエルにより爆破されたガザのアル=アズハル大学

西暦970年創立の世界最古の大学のひとつ。MEM




ガザのすべての大学が破壊された

スイスのジュネーブに本部がある人権監視団体「ユーロ・メッド人権モニター」が、1月20日、ガザ戦争の中で、

「イスラエルが、ガザの多くの知識人を殺害した」

ことを声明で発表していました。

内訳は、94人の大学教授、数百人の教師たち、数千人の大学生を殺害したとなっていましたが、この死の多くは、攻撃や戦闘に巻き込まれたものではなく、「意図的に殺害された」ことが示されています。

報告には、

> イスラエル軍はガザ地区の学者、科学者、知識人たちをターゲットに、予告なしに意図的かつ具体的に自宅を空襲した。

とあり、理由はともかく、ガザの知識人を一掃したいと考えていたようです

この報告によると、ガザの大学も「すべて」破壊されたそうです。

破壊された大学のうちのひとつであるアル=アズハル大学は、創立が西暦 970年という、爆破されるまでは、現存する世界最古の教育機関のひとつでした。

当然、このガザの知識人たちは、軍人ではなく「一般人」であるわけで、なりふり構わないイスラエルの殺戮ぶりと「パレスチナ文化の破壊ぶり」をよく示しているものだと思います。

以下にあります「民族浄化」という概念もとても強く伝わります。

(記事)戦争の目的は「イスラエルによるガザの民族浄化計画」であることがイスラエル情報省からの流出書類で判明
In Deep 2023年10月31日

戦争が始まって以来、1月21日までに、少なくとも 2万4927人のパレスチナ人が死亡したとイランの国営プレスTVは伝えています。その多くが女性と子供です。

以下、ユーロ・メッド人権モニターのニュースリリースです。





イスラエルは、数十人の学者を殺害し、ガザ地区のすべての大学を破壊した

Israel kills dozens of academics, destroys every university in the Gaza Strip
euromedmonitor.org 2024/01/20

イスラエル軍は、2023年10月7日から続くガザ地区でのパレスチナ人に対する虐殺戦争の一環として、94人の大学教授と数百人の教師、数千人の学生を殺害したと、スイス・ジュネーブに本部があるユーロメッド人権モニターは声明で述べた。

声明は 1月20日に発行された。

ユーロ・メッド・モニターによると、イスラエル軍はガザ地区の学者、科学者、知識人たちをターゲットに、予告なしに意図的かつ具体的に自宅を空襲した

標的となった人々は、その家族や他の避難民家族とともに瓦礫の下敷きになって圧死した。

人権団体ユーロ・メッド・モニターは、初期のデータは、これらの人々が標的となる背後に正当化される理由や明確な理由がないことを示していると述べた。

同団体によると、標的となったのは教授の学位を取得した 17人、博士の学位を取得した 59人、修士の学位を取得した 18人だ。

移動困難による文書作成の問題、通信とインターネットの中断、数千人の行方不明者・所在不明者の存在により、ユーロメッド・モニターの推計では、対象となった高度な学位を持っている学者の(死亡)数はさらに増えることが示唆されている。

標的となった学者たちは、さまざまな学問分野にわたって研究し教えており、彼らのアイデアの多くはガザ地区の大学における学術研究の基礎となった。

同権利団体は、イスラエル軍が歴史的に重要な施設を含む文化的建造物を組織的かつ広範に破壊していることを考慮すると、イスラエルがガザ地区の生活のあらゆる側面を意図的に標的にしている可能性が高いと付け加えた。

イスラエルは、100日以上にわたる攻撃の過程で、ガザ地区のすべての大学を段階的に組織的に破壊した。第一段階にはイスラム大学とアズハル大学の爆破が含まれた。

他の大学も同様の攻撃を受けた。ガザ南部のアル・イスラー大学のように、当初は兵舎として使用された後、完全に破壊された大学もある。

イスラエルのメディアは 1月17日、アル・イスラー大学の爆発を捉えたビデオクリップを公開した。爆発は、イスラエル軍が学校を兵舎に、その後一時収容施設に変えてから 70日後に発生した。

暫定的な推定によると、ガザ地区に対するイスラエルによる継続的な攻撃により、数百人の大学生が死亡したとユーロ・メッド・モニターは報じた。

ユーロメッドは、大学を破壊し、学者や学生を殺害すれば、大量虐殺が終わった後に大学や学術生活を再開することがさらに困難になると指摘し、完全に破壊された環境で研究を再開するには何年もかかる可能性があると述べた。

パレスチナ教育省によると、現在進行中の攻撃により、学生 4,327人が死亡、7,819人が負傷し、教師と管理者 231人が死亡、756人が負傷した。一方、ガザ地区の 281校の公立学校と 65校の UNRWA (国連パレスチナ難民救済事業機関)の運営学校が完全、または部分的に破壊された。

公立学校の 90%が直接的または間接的な被害を受けており、校舎の約 29%は完全に取り壊されたり、ひどく損傷した結果、依然として使用できない状態が続いている。ガザ地区には他にも 133の学校が避難所として使用されている。

イスラエルが、大学、学校、図書館、アーカイブを含むパレスチナの文化的・歴史的資産を広範かつ意図的に破壊していることは、ガザ地区を居住不可能にするという政策を明らかに示しているとユーロ・メッド・モニターは警告した。この攻撃により、基本的なサービスや必需品が欠如した環境が生み出されており、最終的にはガザの住民が移住を余儀なくされる可能性がある。

ユーロ・メッド人権監視団は、軍隊による民生品、特に特別法で保護されている歴史的・文化的工芸品の標的は、国際人道法の重大な違反であるだけでなく、ローマ国際刑事裁判所規程に基づく戦争犯罪であり、それは大量虐殺という犯罪の範囲内に該当する







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