原油流出の中でイスラエルの海岸に打ち上げられたクジラ。 AP via zerohedge.com
イスラエルで、同国史上最大の被害をもたらしていると述べられる原油流出事象が起きています。
このこと自体は、少し前に知っていたのですが、面白いのは、その後、イスラエル政府が、この件について「報道禁止命令」をひいたと思われることです。
アメリカの FOX ニュースは、以下のように報じていました。
2021年2月22日の米FOXニュースより
ガザ地区近くのニッツァニムからレバノンに隣接する海岸まで、地中海沿岸の 106マイル( 170キロメートル)がタールで覆われている。
イスラエルのさまざまな環境非政府組織(NGO)によって組織された何千人ものボランティアが、ビーチを清掃し、傷ついた動物を救うための取り組みに参加したが、1頭のクジラが岸に打ち上げられて死亡し。数十匹のウミガメが死亡した。
異例の動きとして、イスラエルの裁判官は、この原油流出事象を発生させた身元や関係する船舶、目的地や出発港などについての捜査とそれに関連する詳細について箝口令を出した。
イスラエルの NGO であるザウル (Zalul)の代表は、箝口令を取り消し、透明性のある調査を実施するようにイスラエル政府に求めた。 (foxnews.com)
今回の原油流出は、イスラエル自然公園局の声明によると、数十トンのタールがさまざまな場所に漂着し、浄化作業には数年はかかる可能性があるとして、
「ここ数年のイスラエルで最も深刻な生態学的災害であり、その結果はさらに数年先に見られると思われる」
と、記したような災害になろうとしているようですが、イスラエル当局は、原因について、背景の事情はわからないですが、表面化しないように進めているというように報道からは読めます。
イスラエルの海岸に漂着しているタール
Reuters
実際、昨日(2月22日)まで表示されていたイスラエル政府の該当情報に関しての情報ページは、今は以下のように、「ページが存在しない」と表示されます。
イスラエル政府ウェブサイトより
gov.il
何が起きたのを正確に知ることはできないと思われますが、ただでさえいろいろと大変な海洋環境の中で、またも大きな環境災害が起きたことは事実のようです。
イスラエルは、世界最速で「 人口の 8割にコロナワクチンを接種した国」として(場合によって)賞賛されている国でもありますので、原油被害についても少しわかるといいのですが。
イスラエルの今は人も海もあれですね。