11月29日の中国 人民報より
renminbao.com
8歳の男の子が脳梗塞により右半身麻痺に
中国各地で、子どもたちを中心とした「謎の肺炎」が流行していることは、何度かふれさせていただいています。
(記事)「中国で起きていることは異常だ」というネイチャーの報道。そして、北京で蔓延している肺炎の抗生物質への耐性率は 70%〜 90%…
地球の記録 2023年11月28日
中国では、インフルエンザだとか RSウイルスだとか新型コロナウイルスだとか、いろいろなウイルスが同時に流行しているようなのですが、そのに、
「マイコプラズマ」
というものが含まれています。
これは、ウイルスではなく「細菌」で、私はこのマイコプラズマというものをよく知らないのですが、そんなに重症化する病気であるようなイメージはなかったのですけれど、冒頭に示しました中国の報道を見まして、
「 8歳の子どもが血栓による脳梗塞?」
と驚いた次第なのですが(突然、右半身が麻痺して、話すことができなくなったようです)、現在、中国でも、免疫の「根本的な弱体化」によるものと思われるウイルスの複数感染が報告されていますので、そういうことと関係するのかなと思っていました。
以下では、「 5種類のウイルスに同時の陽性を示した 3歳の女の子」の報道をご紹介しています。
(記事)中国で今度は3歳の女の子に「ウイルスの五重感染」が確認され、重体に
BDW 2023年11月27日
現在世界的に起きている「免疫の低下」というのは、巷でよく言われるような「これまでの感染対策が…」というようなこととは関係なく、
「体内の根本的な免疫状態の崩壊が関係している」
ということだと私は確信しています。
日本を含めて世界中で起きている性感染症の過去最大規模の感染拡大もそれと関係していると思っていますし。同じ風邪(インフルエンザなど)にシーズンに何度も感染するような事態もそうです。
ですので、冒頭の 8歳の男の子もそういう関連なのかなと思っているのですが、この「マイコプラズマ」というものを少し調べると、自分が思っていたよりも「はるかに悪質な病原菌」であることを知りました。
まずは、冒頭の人民報の記事をご紹介します。
江蘇省の8歳の子どもが、肺炎に罹患した後、脳幹梗塞を患い、大きな血栓が発生した
江苏8岁童染肺炎后脑干梗死 出现大血栓块
人民報 2023/11/29
本土の子どもがマイコプラズマ肺炎に感染した後、脳梗塞を患った。
最近、江蘇省南通市の 8歳の男児がマイコプラズマ肺炎を患い、治療のため入院して 3日後の早朝、突然右半身麻痺を発症し、話すことができなくなった。脳 MRI により脳幹梗塞の診断が確認された。医師たちは手術中に大きな血栓を除去した。
報道によると、8歳のシャオバオくん(仮名)が 11月1日、咳と高熱が続いていたため、母親に治療のため南通市第一人民医院小児科内科に運ばれたと報じた。
小児科医はシャオバオくんを総合的に検査した結果、右肺下葉の肺炎、肺硬化、マイコプラズマ感染症を患っていることが判明し、同時に凝固検査の結果、Dダイマー(※ 血中の血栓レベルのマーカー)の値が 6275ug/l であることが判明した。
このように Dダイマーのレベルが高いことは、シャオバオくんが単に肺炎を患っているだけでなく、塞栓症を引き起こす可能性が非常に高い凝固亢進状態にあることを示している。
当時、シャオバオくんは手足を自由に動かすことができ、めまいや頭痛もなく、基礎疾患もなかったが、医師は当初、肺塞栓症や下肢血栓症の可能性を否定していた。
しかし、11月4日午前4時52分、シャオバオくんに異変が起きた。8歳のシャオバオくんが、おねしょをしてしまったのだ。当直の看護師は、彼が右目を見つめ、右肢に片麻痺があり、話すことができないことに気づいた。
頭蓋磁気共鳴検査の結果、シャオバオくんの脳幹と右小脳が急性梗塞を起こし、脳底動脈が閉塞していることが判明した。
8歳の子どもが脳梗塞を患ったのだ。
シャオバオくんは PICU (小児集中治療室)に移送された。
凝固亢進状態を伴うマイコプラズマ肺炎に関連していると考えられた。議論の結果、医療スタッフは血管を広げる血栓除去術を推奨した。家族と相談の上、脳血管撮影と血栓除去術が開始された。
術中の血管造影により、両側椎骨動脈の V4 セグメントの合流点で塞栓症が確認された。次に、神経マイクロカテーテル、マイクロガイドワイヤー、血栓除去用ステントを導入して血栓を機械的に除去し、より大きな血栓を除去した。
このニュースはネット上の間で激しい議論と疑問を引き起こした。
本土の医師たちは、周囲の人が突然、片方の手足の可動性低下、ろれつが回らない、めまい、頭痛、顔面麻痺などの症状を経験した場合、直ちに120番に電話し、治療可能な最寄りの病院に送るよう注意を呼び掛けている。
ここまでです。
何だかスパイクタンパク質の被害と区別がつかない世界ですが、マイコプラズマって、こんなにひどいことになる? と思った次第です。
根本的には、先ほども書きました「免疫の極端な低下」は関係あるのかもしれないですが、つまり、本来なら重症化しにくいマイコプラズマ感染症が、細菌が強毒化したのではなく、「人間のほうの免疫が抑制された状態のせいで、結果として凶悪化してしまった」ということもあるかもしれません。
しかし、少しだけ調べてみますと、このマイコプラズマというのは、場合によっては厄介なもののようです。
特に現状のように、子どもたち(あるいは大人も)免疫が極端に落ちている可能性がある人たちが多いという中では、厄介なものになるのかもしれません。
たとえば、エムバイオテック株式会社のマイコプラズマに関するページの左には、リストとして以下のように並んでいます。
・成人マイコプラズマ肺炎
・小児マイコプラズマ肺炎
・喘息とマイコプラズマ
・腎炎とマイコプラズマ
・神経疾患とマイコプラズマ
・血液疾患とマイコプラズマ
・リウマチ性疾患とマイコプラズマ
・皮膚疾患とマイコプラズマ
・眼病変とマイコプラズマ
・血管炎とマイコプラズマ
・心筋炎とマイコプラズマ
・慢性疲労症候群とマイコプラズマ
・線維筋痛症とマイコプラズマ
・膠原病とマイコプラズマ
・尿道炎とマイコプラズマ
・免疫不全とマイコプラズマ
・アレルギー性疾患とマイコプラズマ
心筋炎とか免疫不全というような言葉もあります。
ページには以下のようにあります。
マイコプラズマ感染症は、急性のみでなく長期化・慢性化するという特徴を持っています。
早期認知症、喘息・アレルギー、慢性疲労症候群、関節リウマチ、膠原病、など慢性の炎症性疾患や免疫難病と区別が難しい多彩な症状を呈します。
まあ、読みますと、この会社自体が「マイコプラズマのワクチン開発を目指している」ということらしいですので、やや誇大な部分があるのかもしれないですが。
そういえば、今年 1月に、タイ王室のパッチャラキッティヤパー王女が死亡した原因も、王室は「マイコプラズマ感染症の炎症による不整脈のため」としていました。時期が時期だけに、ワクチン絡みが言われていたのですけれど、あのとき、王女は、3週間以上も意識が戻らないまま死亡しています。
マイコプラズマについては、別の病院のサイトに以下のようにありました。
病院サイトのページより抜粋
感染しても 95%は軽症の上気道炎症状で改善し、3~ 5%が肺炎へと進展します。
…マイコプラズマ感染症はほとんどが軽症の感染症ですが、これまでに 20種類に近い合併症が報告されています。
発疹は約 9~ 30%と報告されており…胸膜炎の合併も本症には多く 10~ 20%とされています。鼻出血が 13.9%、その他、中耳炎、川崎病など多くの合併症があります。
そのなかでも重篤なものとして脳炎があります。マイコプラズマ感染に伴う中枢神経合併症は入院を要した患者では 1~ 10%に認められるとされています。
また小児の急性脳炎の原因としてマイコプラズマが 5~ 10%を占めるという報告もあります。脳炎は全年齢に起こりえますが 2~ 17 歳に多いとされています。予後は治療を行っても死亡率 9%、神経学的後遺症 34%という報告もあり恐ろしい合併症です。
本来なら、マイコプラズマに感染しても、肺炎になるのは「 5%以下」などのようです。
しかし、最近の記事でご紹介した科学誌ネイチャーの記事に以下のようにありますように、今は、かつての世界とは異なるようです。
「異常なのは中国での肺炎の有病率の高さだ」
また、オランダでも、子どもの肺炎患者が「過去最高数に達している」ことが伝えられています。
オランダの 5歳 - 14歳の肺炎患者数の推移
nu.nl
オランダの場合も、これがマイコプラズマなのかどうかの報道はなく、「謎の肺炎の増加」と伝えられています。
中国でも、以下のように「未知の肺炎が拡大している」というように報じられいます。
この写真を見る限りは、大人の患者もずいぶんいるようですが。
いずれにしましても、免疫抑制下の世界で起きていることだと考えると、何だか不穏です。
今後どうなっていくでしょうか。