2016年7月18日のヨーロッパ各地の最高気温
この7月、熱波に見舞われている地域は世界中に数多くあります。
その中でも、7月としては歴史的な暑さに見舞われているのが、ロシアからヨーロッパにかけての多くの地域です。
中でも、スペインからフランスにかけての暑さはものすごいもので、上の最高気温の分布図にありますように、スペインは現在、頻繁に 40℃を超える最高気温となっていまして、上では「 45℃」などという、いくら夏でも、ヨーロッパとしては考えがたい気温を記録している場所もあります。
そんな中、スペインの人々は、海へ殺到したり、
海水浴客で埋め尽くされたガルシア州サンシェンショのビーチ / 7月17日
・EFE
あるいは、40℃の中でポケモンを探し回ったり(やや危ないですよ)。
酷暑のスペインの炎天下でポケモンGOをプレイする人
40℃にまでは届かないまでも、ヨーロッパ全域が非常に気温が高い状態が続いているのですが、現在のヨーロッパの異常は気温だけではないのです。
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まず「竜巻」。
ヨーロッパにおいて、竜巻が発生しないわけではないですが、決して多発するような地域ではないです。
しかし今年の夏は、その竜巻がヨーロッパにおいて多発していて、ヨーロッパでの激しい天候のデータベースを公開している「ヨーロピアン・シビア・ウェザー・データベース」 (European Severe Weather Database / ESWD )によれば、下のようになっています。
2016年7月にヨーロッパ地域で記録された「竜巻」の数
・ESWD
これは 7月22日までのものですので、3週間ほどで 83の竜巻の発生が記録されているのです。
ドイツでの発生が多くなっていることがわかります。
基本的に今年のヨーロッパは荒れた天候が多いのですが、その中で、竜巻の発生回数も増加しているようです。
また、今年は、ヨーロッパでは滅多に発生しないとされる「超巨大竜巻」が何度か発生して大きな被害を出していることも平年とは違う部分です。
ロシアに隣接するベラルーシ共和国では、7月13日に、同国史上で最大規模の竜巻が発生して、200万人以上に影響を与えたことが報じられています。
2016年7月13日にベラルーシ共和国で発生した巨大竜巻
・Largest Tornado ever brought havoc and destruction to Belarus
そして、雹の回数もすごいです。
2016年7月にヨーロッパで記録された雹(ひょう)
・ESWD
これも、ヨーロッパ地域としては明らかに多い数です。
ヨーロッパ地域の雹は、過去記事、
・チェコやトルコでの「クレイジーな雹」の光景
2016/05/27
などでご紹介したこともありましたが、今年になって、その数と規模がものすごいことになってきています。
2016年5月24日のチェコのプラハに降った雹
・vk
ヨーロッパでは、落雷での人的被害も相次いでいますが、竜巻、雹と共に、これらは「荒れた天候や気候状況」を示すものでもあります。
そして、荒れた気候というものは、現在のヨーロッパの人的社会の「何か」を示唆しているものなのかもしれないと思ったりもいたします。