インドの新型コロナウイルスの新たな感染者数が、指数関数的に増加しています。
そのグラフが描く曲線は、もはや先の見えない状況に突入していることを示しているといえますが、このインドは、4月16日の時点で、1億1000万人がコロナワクチンを接種していまして、実数だけですと、アメリカと中国に続いて世界第三位のワクチン接種率を誇ります。
そのインドの新型コロナの感染確認数の推移が以下となります。これは、4月14日までのものですが、翌日の4月15日には、1日の感染者数が 20万人を超えました。
数だけでも、以前の最大の感染確認数のピークの二倍ほどに達しようとしていますが、注目すべきは、その「曲線の鋭角ぶり」です。
これは、3日移動平均線や 7日移動平均線でわかりますが、コロナワクチンの接種が始まって以来の増加ぶりは、「以前とは明らかに異なる」曲線を示しています。
過去にこれほど急激な増加を示した時期はパンデミックが始まってから一度もないわけで、今回の感染拡大が以前とはちがっていることが想像できます。
グラフを見る限りでは、この増加のキッカケは「コロナワクチンの接種が大規模に進められたことによる」としか見えないですが、そのようなことが起きるとすれば、理由は In Deep の以下の記事に、最近のイスラエルでの研究を取り上げていますので、ご参照くだされば幸いです。
二つの衝撃 : mRNAコロナワクチンとプリオン病に関する論文の続報。さらに、やや衝撃的な「ワクチンを接種した人の方が感染率がはるかに高い」ことを示したイスラエルの南アフリカ変異種に対しての研究
投稿日:2021年4月13日
このようになってきますと、もはや収拾の目処も何もない感じとなっていますが、それでもインドはワクチン接種を強力に進めています。
4月16日までの世界のワクチン接種数は、実数の多い順番として以下のようになっています。
ワクチン接種状況 2021年4月15日
アメリカ 1億9221万人が接種 (人口約 3億2000万人)
中国 1億7562万人が接種 (人口約 14億人)
インド 1億1117万人が接種 (人口約 13億6000万人)
インド政府は 4月11日から、さらに大規模なワクチン接種キャンペーンを開始すると述べており、「 1日 300万人に接種する」予定だそうですので、ワクチン接種数で世界2位などになるのも早いかもしれません。
なお、この3カ国の最近 7日間の新たな感染確認数の移動平均はどうなっているかといいますと、次のようになっています。
アメリカ 新たな感染確認数は増加
中国 新たな感染確認数は減少
インド 新たな感染確認数は増加
データの信頼性に疑問のある場合も多い中国以外は、最近 7日間で感染確認数は増加に転じています。
アメリカでも、ワクチン接種者が多いたとえばミシガン州などで、感染拡大に歯止めがかからなくなっていますが、今後も世界中でこの傾向は続くと思われます。
おそらくは、日本でもワクチン接種が進むにつれて、インドのような傾向と似たものとなってくると思いますが、インドで爆発的流行が始まったのは、ワクチン接種開始後約 2ヶ月後でした。
そこから考えますと、日本では 4月から一般の方々へのワクチン接種が大規模に始まりましたので、2ヶ月後の「 6月くらい」からが爆発的流行の正念場となりそうです。
すでに、現在の変異種は気温とは関係なくなっているのは、暑い国での感染拡大が示していますので、夏という季節も関係なさそうです。
インドの感染状況について、4月12日の CNN の報道をご紹介します。
この時点では、1日の感染者は 15万人となっていますが、その後のたった数日で、1日の新たな感染者が 20万人を超えました。
インドのワクチン接種1億回超す 新規感染者は過去最多
CNN 2021/04/12
新型コロナウイルスの感染が急激に拡大するインドで 11日、新規感染者が過去最多を記録した。当局はワクチンの接種を急ピッチで進めている。
保健省によると、同国のワクチン接種回数は 11日、1億回を突破した。接種開始からわずか 85日での到達で、世界で最も急速に接種が進む国の一つとなる。
一方、同日確認された新規感染者は 15万3000人に迫り、死者は 839人に達した。
同国の人口約 14億人のうち、累計感染者数は 1350万人と、米国、ブラジルに次ぐ世界3位。死者数は 17万人に迫っている。
ニューデリーではこの1週間に少なくとも 57人の医師が、新型ウイルス検査で陽性反応を示した。
サーガンガラム病院では、新型ウイルスワクチンの接種を2回とも済ませていた医師ら 37人が陽性となった。いずれも軽症だが、うち 32人は自宅で隔離、5人は家族への感染を避けるため病院に収容されたという。
また全インド医科大学は 9日、医師少なくとも 20人の感染が確認されたと発表した。このうち研修医 2人は、2回のワクチン接種を完了していた。
感染地域のワースト 10のうち 8カ所は、西部マハラシュトラ州に集中している。州内では公園やショッピングセンター、映画館、宗教施設などが閉鎖された。
一方でモディ首相は、11日から 4日間のワクチン一斉接種計画を発表した。1日当たりの接種回数は 300万以上と、米国や中国と並ぶピッチに達している。