最期の食糧危機 異常な現象

世界のコメ輸出の40%を担う最大の生産国であるインドが、コメ輸出に20%の関税を課すと発表。砕米の輸出は完全に禁止

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Economic Times




 

穀物の大生産国のひとつであるインドは、今年 5月に小麦の輸出を禁止し、その後、砂糖の輸出に制限をかけました。

小麦の輸出はその後、制限つきで再開されましたが、最近再び小麦粉の輸出を完全に停止しました。

 

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 投稿日:2022年8月26日

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 投稿日:2022年5月25日

 

このインドは、世界のコメ輸出の 40%を担う世界最大のコメの輸出国でもあるのですが、今度は、インド政府は、コメの輸出に制限をかけると発表しました。コメの輸出に、20%の輸出税をかけると発表したのです。また、砕米という砕けたコメに関しては、輸出を禁止しました。

砕米はクズ米とも呼ばれますが、非常に用途は広く、日本では、米菓、味噌、日本酒、焼酎、調味料などの原料として使われているようです。

インドからのコメを最も多く輸入しているのは中国ですが、そのほとんどが砕米だそうです。

インドからのコメは、他にも、セネガル、ベトナム、インドネシアを含めて、世界中に輸出されていますが、インドの上位のコメ生産州で降水量が少なかったことなどもあり、収穫量が予想より下回るようで、今回の措置となってようです。

過去 20年ほどインド米の価格はずっと上昇していまして、最近は過去最高値となっています。


gro-intelligence.com

今回の措置を受けて、タイの米輸出協会の名誉会長は、

「 20% の賦課金を課すことは大きいです。この動きは、世界中の米価格を上昇させるでしょう」

と述べたことが伝えられています。

コメに関して、日本は国内産のコメの消費が圧倒的ですが、世界全体の食料インフレに関わることでもあり、このインドの政策はさらに食料価格の問題に結びつきそうです。

食糧専門メディアの記事をご紹介します。




 


インドがコメに輸出税を課す

India Levies an Export Duty on Rice
gro-intelligence.com 2022/09/09

世界最大のコメ輸出国であるインドは、9月9日から特定のコメ輸出品に 20%の輸出税を課し、インド国内価格の高騰を抑制しながら十分な国内供給を確保しようとしている。

インドのコメとコメ製品の国内価格は 4月から上昇しており、このチャートに見られるように、現在過去最高を記録している。インドは世界のコメ出荷の 40%以上を占めているため、インドのこの新たな輸出制限は、世界的にコメ価格を押し上げる可能性もある。

コメの生育期に向かっているインドでは、モンスーンシーズンの開始が通常よりも遅くなったため、コメ作付け面積が縮小し、すでにコメの生産量の減少が予想されていた。

さらに、インドの上位 2つのコメ生産州では降水量が少なかった。

インド最大のコメ生産州である西ベンガル州では、9月6日までの降水量が 10年間の平均よりも 13%低く、インドで 2番目に大きな生産州であるウッタル・プラデーシュ州では、累積降水量が 10年間の平均を 26.4%下回っている。

しかし、インド全体の稲作地域を集計すると、6月1日から 9月6日までの累積降雨量は過去 10年間の平均を 1% だけ下回っている。

2021年、インドは 2,130万トンのコメを輸出した。これは、世界の 4大コメ輸出国であるタイ、ベトナム、パキスタン、米国の合計出荷量を上回る。インドは、バングラデシュ、中国、ベナン、ネパールなどの主要な輸出国を含む幅広い国にコメを輸出している。

今年初め、ロシアとウクライナの戦争開始以来、飼料用穀物の価格が上昇する中、中国はコメの輸入を増やした。中国のコメの年間輸入量は、今年は、記録的な 600万トンに達すると予測されている。中国の輸入米の多くは、全粒米よりも価格の安い砕米だ。

中国の輸入の増加は、中国の熱波が中国のコメ生産地域の土壌水分測定値が少なくとも過去 10年で最低レベルとなったときに起きた。

インドのこの新しいコメ輸出関税の前に、国内価格を抑えるための一連の輸出制限があった。5月中旬、インドは小麦の輸出を禁止した。その 1週間後、輸出できる砂糖の量に上限が設けられた。そして 8月後半には、食品価格の上昇を食い止めるために小麦粉の輸出を禁止した。







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