英国政府の今年 2月分のコロナの状況を示す最新の公式データで、
「コロナ死者の 90%が、ワクチン接種者」
であることが示されていました。
以下に資料があります。この 43ページなどにあります。
COVID-19 vaccine surveillance report Week 9
UK Health Security Agency 2022/03/03
ところで、ここにある「 UK Health Security Agencyって何だ?」と思いまして、調べてみますと、昨年 10月に新設された英国政府機関のようで、「英国保健安全保障庁」という名称のようです。以下の報道がありました。
ゲノムデータ解析を支える英国保健安全保障庁が業務開始
2021年10月1日、英国保健省は、英国保健安全保障庁(UKHSA:UK Health Security Agency)が新たに業務を開始したことを発表しました。
UKHSAは、イングランド公衆衛生庁(PHE)、NHSテスト&トレース、合同バイオセキュリティ・センター(JBC)をベースに、公衆衛生システムと国家安全保障インフラストラクチャの統合組織として機能することを目的としています。
今後、データ分析およびゲノムサーベイランスにおける最新技術や画期的な機能を有効活用しながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や将来の脅威に、地域レベル、国家レベル、グローバルレベルで取り組むとしています。 (deloitte.com)
「ゲノムデータ解析を支える組織」が、コロナの感染状況データを発表しているということになるようです。
それはともかく、この英国保健安全保障庁の先ほどの資料に、以下の内訳が書かれています。
2022年2月27日のまでの4週間の英国のコロナ死亡例の内訳
COVID-19 vaccine surveillance report
それぞれの総数が書かれていませんが、このデータをまとめていた記事によりますと、以下のようになります。
英国の2月のコロナ死者数の内訳
・ワクチン接種 3,512人
・ワクチン未接種 397人
このようになり、さらに、記事には、以下のように書かれていました。
> コロナ感染とは関係のない偶発的な死亡を含む可能性のあるより広い定義を使用すると、その数はさらに悪化し、ワクチン未接種の570人と比較して、接種者は 5,871人が死亡している。 (Alex Berenson)
これは、資料の 44ページにある数字かと思われます。
それにしても、先ほどのデータでは、
「ブースター接種を受けた高齢者の死亡数が比率として非常に多い」
ことがわかります。
COVID-19 vaccine surveillance report
これを見る限りでは、特に高齢者では、ブースター接種はかなりのリスクを伴うものでもあるのかもしれません。
英国は、1回目と 2回目はアストラゼネカ社の DNA ワクチン(ウイルスベクター)を接種した人たちが多かったと思いますが、これは DNA タイプですので、「体内で消えない」と考えるのが妥当です。
ですので、ADE (抗体依存性感染増強)などの懸念は、ずっと先まで続いていくということになる可能性もあります。
なお、イギリスでは現在、急速に感染確認者が増加しており、過去 2週間ほどで 2倍以上の増加となっています。
そして、ヨーロッパのいくつかの国では、もう第何波とかはもうわからないですが、前回の流行が終息していないのに、また新たな感染拡大を示している国が多くなっています。
検査をやめているような国もあり、実際のところはわかりにくいですが、以下のような国では、相次いで過去最大の感染確認数やコロナ死者数が記されています。
・オーストリアのコロナ感染確認数が過去最大に (03/13)
・ドイツの1日の新たなコロナ感染者が初の25万人超。3ヵ月で約10倍に (3/11)
・フィンランドの1日の新たなコロナ「死者数」が過去最大の180人超 (3/11)
これからどうなるのか、よくわからないですが、先ほどの英国での死者のほとんどが、「ワクチン接種者」であるようなことが今後拡大していくとすれば、この春は、まだまだ大変なのかもしれません。
これが ADE によるものなのか、あるいは何かの新しい株などの要因なのかわからないですが、ヨーロッパの各国がいっせいにコロナ規制を解除したと同時に、再度の感染流行が始まっているということになりそうです。
そして、ブースターのリスクを今回のデータは改めて示したようにも思います。