動物の異常 大量死 異常な現象

フランスの大西洋側海岸で2019年だけで「600頭以上の死亡したイルカが漂着する」という異常事態が進行中

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2019年2月18日のフランスの報道より


The Local France




 

フランスの海岸に、今年 2019年だけで 600頭以上のイルカが死亡して打ち上げられていることが報じられています。

今年はまだ 50日くらいしか経過していないと考えると、600頭のイルカの大量死は、結構大変なものですが、この事象が発生しているのは、フランスの大西洋側の海岸だそうです。

フランスは以下の地図のように、大西洋側と地中海側で、それぞれ海に面している国です。

フランスの位置

Google Map

この大西洋側の海岸で夥しいイルカの大量死が起きているということのようなのですが、不思議なのは、隣接する国からの同じ報告がないことです。

英国、オランダ、ベルギー、スペイン、ポルトガルなども大西洋に面していますが、そのような報道は今のところは見聞していないです。

フランスにおいては、昨年 2018年から、イルカの漂着が増加し続けているようで、昨年のユーロニュースでは、2018年全体で 600頭のイルカがフランスの海岸に漂着したことが伝えられていました。

2018年のフランスのイルカの漂着を伝えるユーロニュースより


What's killing France's dolphins?

しかし、今年は 2月の中旬の時点で、その数を上回る漂着となっています。

そういえば、オランダの海岸でも、今年、海鳥の大量死が死発生し続けていることを以下の記事で取りあげさせていただいたことがありました。

オランダの海岸で起きている「2万羽」の海鳥が死亡し続ける謎の事象

大西洋で何かの事象が起きているのかもしれないという感じにさせてくれる出来事でもあります。

これについて、フランスの報道の概要をご紹介させていただきます。

なお、記事では、「漁船が原因」というような帰結になっていますが、しかし、フランスの漁業は今年から始まったものではなく、「今年だけ以上に死亡数が多い」という理由の説明にはなっていません。

 


Why are hundreds of dead dolphins washing up on French beaches?
thelocal.fr 2019/02/18

フランスの海岸に何百頭ものイルカが打ち上げられ続けている理由は何なのか?

2019年の初めから、フランスの大西洋岸で過去最大となる 600頭のイルカが打ち上げられている。 この数は、過去の同じ期間のどの年よりも高い。

いったい何が起きているのか。

死亡したイルカがフランスの海岸に漂着し続けていることについて、科学者たちは、状況は警戒すべきものだと述べる。

調査を行っているペラギス海洋生物観測所の研究者であるヘレネ・ペルティエ(Hélène Peltier)氏は、次のように述べる。

「今年のフランスに漂着している死亡したイルカの数は、過去のどの年の同じ期間よりも大きいものとなっています。すべてが記録的なものです」

「この事象が収束に向かうのかどうかはわかりません。この状況の正確な評価をするために、今後の数値を正確に調べる必要があるでしょう」

 イルカは、ブルターニュ南部からスペイン国境までの大西洋岸の一帯に打ち上げられている。ヴァンデ県とシャラント海上で特に多数の死骸が発見されている。

しかし、科学者たちは、これらの発見されているイルカの大量死は氷山の一角に過ぎず、死亡したイルカの多くは海底に沈むか、海の中にあるため、実際には、さらに多くのイルカが死亡していると考えている。

このイルカの大量死は、今後数年でイルカの個体数を脅かす可能性さえあると研究者たちは述べる。

なぜこんなことが起こっているのか。

死亡したイルカが、フランスの海岸に打ち上げられること自体は普通にあることで、毎年、何百頭ものイルカがフランスのビーチに打ち上げられる。しかし、今年の数は異常だ。

発見された死んだイルカのほとんどは、漁船と、漁船で使用される大きな漁網が原因であると研究者たちが言う。

フランスの環境慈善団体 FNE によると、見つかったイルカの死体のうち、93%が漁船などによって切断、骨折した徴候を見せてているという。

イルカは、そのエサとなるメルルーサやスズキのような魚を捕まえるために使用される広大な網に巻き込まれることがある。これらの網のいくつかは海底に固定されており、イルカがそれらに絡まった場合に、イルカは呼吸するために海上に上がることができずに、窒息する。

現在の大量死に対しての明らかな解決策は大型漁船の数を減らすことだと考えられる。

環境保護団体は、フランスやスペインの大型トロール船や他の大型漁船の漁獲に対して、問題に対する解決策を見出すために、フランスとスペインの政府間のより良い調整を求めている。

他の解決策はイルカを遠ざけるためにボートに音響の「忌避剤」を置くことを含む。これらは「ピンガー」と呼ばれ、今年、初めてフランスの遠洋トロール漁船のすべてに装備された。

しかし、今年の記録的な数のイルカの死亡を考えると、ピンガーはほとんど効果がないようだ。







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