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カタストロフの渦中のオーストラリア : 史上最悪の森林火災に見舞われているクイーンズランドを史上最大級の雹嵐が襲う

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2019年11月17日 オーストラリアのクイーンズランドに降った雹のサイズ


ABC




 

さまざまな国や地域が、わりと大変な気象などに直面していますが、現在のオーストラリアは、その中でも非常に大きな災害リスクを受けている国のひとつと言えるかもしれません。

今月に入って、オーストラリアでは、かつてない規模の森林火災が各地で発生していまして、報道のタイトルに「カタストロフ」という言葉が頻繁に使われる状態となっていますが、そのオーストラリアで、11月17日、極めて激しい雹(ひょう)嵐が発生し、多くの被害が出ました。

そのサイズは、冒頭の写真でもおわかりかもしれないですが、雹が降った際の状況は、動画がわかりやすいかと思います。

11月17日 オーストラリアのグレンビューでの爆撃のような雹嵐の様子

https://youtu.be/saLhGkxQ68k

この動画は、グレンビューという街で撮影されたものですが、火災マップとグレンビューの位置を合わせますと、以下のようになり、「森林火災の真っ只中で雹が降り注いだ」ということになりそうです。

11月13日時点でのオーストラリアの火災の発生状況と巨大な雹の降ったグレンビューの場所

news.com.au

雹嵐に見舞われたのは、以下のようなエリアで、決して狭い範囲というわけでもなかったようです。オレンジ黄色の順の警報レベルとなっています。

雷雨と雹の警報が出ていた場所

Bureau of Meteorology, Queensland

雹が降った場所では、各地で車や建物などに被害が出たようです。

また、森林火災のほうですが、11月13日の時点で以下のような報道となっていましたが、現時点では「状況はさらに悪化している」ようです。

「壊滅的な火災」の警報、負傷者や建物の被害続出 オーストラリア

CNN 2019/11/13

オーストラリア全土で発生した大規模な森林火災は12日も延焼が続き、消防隊が消火活動に追われている。シドニー周辺では「壊滅的な」火災が発生する恐れがあるとして警戒を呼びかけているが、現在の制度が2009年に導入されて以来、シドニー地域に壊滅的な火災の警報が出されたのは初めて。

最も人口の多い南東部のニューサウスウェールズ州では建物の被害や負傷者も報告されているが、正確な数は分かっていない。

同州では現地時間の12日夕刻の時点で85件の火災が発生しており、うち半数以上は手が付けられない状況にある。

州消防局によると、特に北沿岸部の火災は深刻な状況だが、それ以外にも州内の各地で新たな火災が発生。今後も乾燥した強風が続くと予想され、消防は引き続き警戒を呼びかけている。

この火災のためにこれまでに3人が死亡し、住宅100棟あまりと学校2校が損壊した。12日は教育機関約600校が休校となり、9校は火災が迫ったために避難を強いられた。

この報道に「うち半数以上は手が付けられない状況にある」とありますが、その後の気象の条件はさらに悪くなっているようで、今後、火災の発生件数がさらに増えていく可能性があります。

オーストラリアはこれから本格的な真夏となりますが、気温も今後大幅に上昇していくと予測されています。

そのような中で、やはり「経験したことのないような」今回ご紹介した雹嵐に見舞われるというようなことになっていまして、アメリカやヨーロッパの気象も大変ですけれど、オーストラリアも過去にないような試練の局面にあります。







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