2023年5月29日、40℃超の上海を、高温の中、路上を歩く女性たち。ntdtv.com
かつてない時期の高温の理由と「影響」
中国に関する報道で、中国のいくつかの地域で、信じられない高温に見舞われていると伝えられていました。
> 四川省や雲南省などでは最高気温が43度に達した。
とまで書かれているのですが、報道の時点で、まだ 5月のお終わりということで、「さすがにホンマかいな」と思い、気温配置を見ました。
以下は、2023年6月2日の気温予想の配置です。
大ざっぱに書きますと、
・紫が 30℃後半から 40℃以上の大変な暑さ
・濃い赤が 30℃から 33℃くらいの猛暑
・オレンジから薄い赤のあたりは、25- 28℃くらいの気温
となり、緑や青はかなり低い気温となります。
2023年6月2日のアジアの最高気温の分布
meteo1.net
確かに、中国の雲南省は気温が高い状態が続いているようで、他にも、上海のあたりとか、非常に暑い場所が見受けられます。
このような季節外れの気温が今後も続くかどうかはわからないですが、この春のユーラシア大陸は、「気温差がメチャクチャな時期」が長く続いていまして、たとえば、以下は、4月の月間の大陸の平年との気温差です。
2023年4月の月間の「平年との気温の差異」
electroverse.info, nofia.net
ロシアのシベリア地方には、かつてないような寒波が襲っていたときに、中国では全体として、大変に気温が高くなっていた状態が続きました。
つまり、全体としての温暖化や寒冷化というより、
「気温の整合性がなくなってきている」
のが問題です。
以下のようなこともありました。
(報道) 温暖だった春の中国に突然の異常寒波。気温は20℃以上下がり、異例の春の雪も。農作にも影響が (2023/04/26)
こういう予測できないことが繰り返されると、農作物への影響が気になります。この春は、中国だけではなく、アジア全体で、地域によってはかなりの影響を受けているのではないでしょうか。
日本は幸い、それほど異様な気温の変化の問題は今のところないですので大丈夫だと思うのですが、こう世界全体で気象と気温が不安定ですと、今後は何ともいえない部分もあります。
中国の 5月の異常な高温についての報道です。
中国雲南省の多くの場所で気温43℃。太陽光で目玉焼きが焼ける
中国多地43度高温 云南用太阳煎熟鸡蛋
ntdtv.com 202306/02
中国南部では最近高温が続き、四川省や雲南省などでは最高気温が 43℃に達した。雲南省喬家県の人々は、天日で直接卵を焼ける動画を投稿した。
最近、四川省、雲南省、広東省、広西チワン族自治区、海南省などで高温の天候が続いている。5月29日、四川省攀枝花市と雲南省昭通市の最高気温は43℃に達した。
オンラインにアップロードされたビデオには、雲南省昭通市喬家県の住民が太陽の直下で鉄鍋で卵を焼いている様子が映っている。
5月31日の時点で、橋家県では 5月に 37℃以上の高温が 19日間、40℃以上の高温が10日間続いた。31日には雲南省喬家県と四川省寧南市の(道路などの)表面温度がいずれも 75℃を超えた。
橋家県の村民は「70代までここで暮らしているが、こんな気温は初めてだ。本当に暑い」と語った。
6月1日、高温によりスプリンクラーが作動し、火災の緊急対応が開始されたという動画がインターネット上に投稿された。雲南省昆明市にある宜月子センターの消火用スプリンクラーが突然放水し、現場にいた看護師らが急いで赤ちゃんを部屋から運び出した。
高温の影響で、四川省攀枝花市の一部の学校が休校となった。
広東省の多くの場所でオレンジ色(警報の上から二番目)の高温警報が発令されている。5月30日には広州市の気温が 41.9℃に達し、今年初のオレンジ高温警報が発令された。インターネットに投稿されたビデオには、広州市のコンクリート舗装が破裂や跳ね返りにさらされている様子が映っていた。
地元のネットユーザーは「これが 5月と 6月の天気だろうか? 7月と8月でさえ、これほど暑いことはめったにない。広東省は高温注意報でいっぱいで、鶏の足が真っ赤になっている。毎日 40℃の太陽に誰が耐えられるだろうか」と語った。
広西チワン族自治区も珍しい高温天候に見舞われ、ネットに投稿された動画では、広西チワン族自治区柳州市の高温により田んぼの草魚が暑さで死んでしまう様子が映っていた。
5月29日、上海は 5月としては 100年以上で最も暑い日を記録した。深セン市も 5月30日にオレンジ色の高温警報を発令した。
ネットユーザーは「広東省は命を疑うほど暑い。攀枝花市は何日も 40℃を超えている」と述べた。
高温下では電力消費量が急増し、人々はエアコンに頼って「生活を続ける」しかないが、電力供給が危機に陥っている。
5月30日夜、深セン市内の多くの場所で停電が発生し、ネットユーザーは「昨夜は 4回も停電があった。どうやって眠りについたのかわからない」と話した。
広東省を含む南部の製造拠点の電力需要はここ数日急増しており、中国南部の送電網のピーク電力負荷は 2億キロワットを超え、通常よりも数週間早く、過去最高に近い水準となっている。
海南省の電力負荷は最近初めて 700万キロワットを超え、広西チワン族自治区も過去最高を記録した。