2020年に入って以来、日本などを含めて、平年よりずいぶんと暖かい国や地域も多いのですが、その一方で、地域によっては、「普通ではない寒波と大雪」が続いている場所もたくさんあります。
1月10日には、中東の砂漠地帯であるサウジアラビアやエジプト、そして、レバノンなどで大雪が記録されるということが相次いで伝えられています。
冒頭の写真は、サウジアラビア北西部にあるタブークという場所の光景です。
2020年1月10日 サウジアラビアのタブークの光景
投稿者のひとりは、
「この地域に雪が降ったのは、私の人生で初めてのことです」
と書いていました。公式な記録はわからないですが、おそらく観測史上で初めてのことではないでしょうか。
また、中東のレバノンでも、この前日の 1月9日に「大雪」が降ったことが報じられていました。写真を見ると、とても中東の風景とは思えません。
2020年1月9日 レバノン
・Severe-weather.EU
さらには、エジプトのセント・キャサリン(聖カタリナ)という場所でも、雪が降ったことが報じられていました。
2020年1月10日 エジプトのセント・キャサリンにて
・Rola kanafani
中東の気象観測の歴史を探るのは難しく、これらすべての地域で初めての雪なのかどうかはわからないですが、非常に珍しいことであることは事実だと思います。
皮肉というのか、日本では各地で「歴史的な雪不足」となっている場所が多く報じられています。
・積雪ゼロ…アスファルトや地面むき出しに 記録的雪不足で北海道各地の冬イベント 中止相次ぐ (北海道文化放送 2020/01/09)
・記録的な雪不足 スキー観光や経済に影響 山形県 (NHK 2020/01/10)
ふだんは雪国であるべき場所で、ほとんど雪が降らない状態となっている中で、サウジアラビアやエジプトなど、雪とは無縁だった場所で「大雪」が降っているという現状が、世界的な気象の異常と変化をあらわしているように思います。