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グレートバリアリーフのサンゴ礁が劇的な「復活」。被覆レベルは過去36年間で最高に。大規模な白化は一時的なものだった模様

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dailysceptic.org




 

思えば、サンゴはこの地球で最強の生き物のひとつですし

過去10年ほど、世界中で「サンゴの白化」あるいは「サンゴ礁の縮小」が伝えられてきました。特にオーストラリアのグレートバリアリーフでは、危機的なサンゴ礁面積の縮小が広く伝えられてきました。

実際、2010年頃から 2016年頃まではグレートバリアリーフの一部(北部など)で、サンゴ被覆レベルが過去最大の減少を見せていましたが、

「その後、サンゴ礁は劇的に復活していた」

ことが、オーストラリア海洋科学研究所 (AIMS) の最近の年次要約で明らかになっています。

特に、グレートバリアリーフの北部と中央部では、観測が始められてから「最高レベル」にサンゴ礁が拡大していることがわかります。

以下は、オーストラリア海洋科学研究所の資料からのものです。

グレートバリアリーフ北部のサンゴ被覆レベルの推移

aims.gov.au

グレートバリアリーフ中央部のサンゴ被覆レベルの推移

aims.gov.au

 

どちらも 2019年頃から劇的な拡大を示しています。

これを取りあげていた海外のメディア記事には、以下のようにあります。

 

dailysceptic.org より)

> グレートバリアリーフのサンゴ礁の最大の擾乱(減少)は 2016年頃に発生しており、これは、この周囲の海洋温度を最大 3°C急速に上昇させた、強力でな太平洋のエルニーニョ振動によって引き起こされた。

> 突然の海洋の温暖化では、サンゴは、一般に白化として知られているプロセスで体内に共生している藻類を追い出す。しかし、グラフをご覧のとおり、その後、海水温が安定すると、これは急速に逆転しする。

サンゴの白化あるいは減少は、恒常的な海水温の上昇によるものではなく、太平洋のエルニーニョ振動によって海水温が上昇した際に一時的に減少したということになるようで、海水温が安定すれば、グラフのように、すぐに復活するようです。

 

この「サンゴ礁の縮小」という概念は、環境保護者や気候変動論者の方々から、地球温暖化の悪影響として取りあげられることがあるものですが、まあ…地球温暖化という概念のほうは置いておくとして、仮にそういうことがあったとしても、

「サンゴの長期的な生存には影響がなかった」

ようです。

 

ただ、海水温のことはともかくとしても、「海そのもの」の変化は大変に大きくなっていまして、たとえば、先日 In Deep の以下の記事に書きましたように、海からプランクトンがいなくなってきているというようなこともあります。

 

[記事] 大西洋のプランクトンが「90%減少した」ことが英国の大規模調査で判明。そこから思い出す、地球の二酸化炭素の循環を支配しているものこそプランクトンだということ…
 In Deep 2022年7月18日

 

サンゴというのは、少なくともグレートバリアリーフなどの浅い海域に生息するものに関しては、以下のように生きているのだそうです。

 

> 造礁サンゴは、褐虫藻からの光合成産物、または自らの触手で動物プランクトンを捕食することで栄養を摂取している 褐虫藻

 

ですので、サンゴもプランクトンがいないと厳しいのかもしれないですね。ただ、このサンゴと共生している褐虫藻という存在さえあれば生きていけるものなのかもしれないですが、そのあたりは不明なところが多いようです。

 

私も以前は、サンゴの「絶滅」なんてことを気にしていたこともあったのですけれど、サンゴの歴史を知りますと、

「サンゴはほぼ最強の生き物のひとつ」

だということを知るに至ります。

ですので、これからの厳しい海洋の状態でも、サンゴはそうとう強く生き残るのではないでしょうか。

どういうことかといいますと、現在の生物学では、

 

> サンゴはカンブリア紀(約5億4200万年前)に出現した サンゴ

 

とあるのですが、このカンブリア紀から現在までには、少なくとも、「 5回の大量絶滅事象」が起きたとされています。

以下をサンゴはすべて「生きのびた」ことになるのです。

 

Wikipedia - 大量絶滅より

オルドビス紀末の大量絶滅 (約4億4400万年前)
 当時生息していたすべての生物種の85%が絶滅したと考えられている

デボン紀末の大量絶滅 (約3億7400万年前)
 ダンクルオステウスなどの板皮類や甲冑魚をはじめとした多くの海生生物が絶滅している。すべての生物種の82%が絶滅したと考えられている。

ペルム紀末の大量絶滅(約2億5100万年前)
 地球の歴史上最大の大量絶滅。海生生物のうち最大96%、すべての生物種で見ても90%から95%が絶滅した。

三畳紀末の大量絶滅(約1億9960万年前)
 すべての生物種の76%が絶滅したと考えられている。

白亜紀末の大量絶滅(約6600万年前)
 すべての生物種の70%が絶滅したと考えられている。

 

これがすべて実際にそうだったかどうかの議論はともかく、上の現在の学説通りですと、ペルム紀末の大量絶滅のような、

> 海生生物のうち最大96%が絶滅

というのを、同じ種類のものではないとしても、「サンゴ」という生物の括りでは生き残っています。サンゴは人間に心配されるような脆い生物ではないのです。

また、5億4000万年というような期間をサンゴは生きてきたわけですが。これだけの期間になりますと、現世人類が登場したこの十数万年の間に起きた海洋の変化と比較にならないような巨大な環境の変化を何度も経験してきているはずです。

その期間を通して絶滅しなかったのですから、次に起こる、あるいは現在進行している「6回目の大量絶滅」でも大丈夫なんじゃないですかね。

それに比べれば、現世人類は、地球に現れて、まだ十数万年です。

どの程度の環境の変化までなら人類が生きのびられるのかは、このような十数万年程度の期間ではわからないことが多いです。







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