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東アジアの超絶寒波のなか、中国で寒波の連続時間が観測史上最長に。首都北京では「300時間以上ずっと氷点下が継続」

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寒波と雪の中、着ぐるみを着て頑張る広州の長隆野生動物園のスタッフたち。chinadaily.com.cn




中国の首都では300時間以上、氷点下が継続

12月20日過ぎ頃は、日本でも寒い日々がありましたが、中国や韓国の寒波は「記録レベル」のものとなっています。

韓国では、12月22日に首都ソウルでも氷点下 20℃を記録したと報じられています。

しかし、中国の記録はかなりものすごいもので、

「北京で、氷点下が 300時間継続した」

ことが報じられています。

これは、1951年に中国で気温の観測が始まって以来のことだそうで、観測史上初めてのことです。

300時間というと、12日間くらい朝も昼も夜もずっと氷点下だったということになります。通常の東アジア圏内では、ほぼ聞くことのない数値ですが、まずはその報道をご紹介します。





北京で、72年ぶりに最長寒波の記録… 「 300時間以上、氷点下が維持」

베이징, 72년 만에 최장 한파 기록…“300시간 넘게 영하권 유지”
now news 2023/12/25


sinchew.com.my

中国の首都北京が 72年ぶりに最長寒波を記録した。

CNN などによると、12月24日、北京は 1951年の気象観測が始まって以来、最も長い寒波を記録した。

北京南蔵王気象観測所は「12月11日、気温が初めて氷点下に落ちた以後 300時間以上、氷点下圏を維持した」とし「 24日の午後、気温がこの数日で初めて 0℃以上に上がった」と明らかにした。

去る 12月11日に、気温が初めて零下に落ちて以来、300時間以上気温がその線の下にとどまり、記録的な寒波が続いていた。

中国北部の一部の都市は暖房能力が限界に達した。

中部河南省では数回のシステム障害が発生した。蔵王市は 22日、火力サプライヤーの電力計画誤動作で暖房が一部中断された。

現地メディアは、電力会社が障害解決のために苦労しているとしても、故障したボイラー数を明示していないとし、そして 12月26日に供給を再開すると予想されることだけを伝えているとした。

フヤン市などは 12月22日の夜からほとんどの政府庁舎と国営企業への暖房供給を中断した。病院、学校、住宅用建物など必須施設に暖房エネルギーを優先供給するためだ。

北京では14日、大雪で地下鉄が地上路線区間で滑り、先に行っていた地下鉄を追突する事故が発生した。この事故で骨折傷を負った 100人余りを含め、500人余りの乗客が病院に搬送された。

12月18日に甘粛省で発生したマグニチュード 6.2の地震では、これまでで、少なくとも 148人が亡くなり、1000人余りが負傷しているが、甘粛省も強力な寒波に見舞われており、捜索及び救助作業に支障をきたしている。


 

ここまでです。

そう、大きな地震があったんですよね。

(記事)中国の甘粛省でマグニチュード6.2の地震。少なくとも111人が死亡という報道
BDW 2023年12月19日

当時の震源地付近はものすごい寒波(最大の被災地は最低気温 -17℃でした)で、捜索作業なども難航したと思われます。また、極端な寒さは、被災者の生存時間とも関係しますので、極端な寒波の中の大地震というのは、非常に困難な事象となり得ます。

中国の12月13-16日までの気温の平年との差異

 

しかし、あくまで予測ですが、すごいのが「今後」なんです。

 

2024年1月から2月はかなり不安定な気温に

中国だけではなく、日本を含めた東アジア全般に言えることなんですが、

「大晦日あたりからものすごく暖かくなる予測」

が出ています。

2023年12月31日(大晦日)の東アジアの気温の平年との差異の予想

tropicaltidbits.com

これを見る限り、日本を含めて年末年始は平年よりかなり暖かくなりそうで、穏やかな新年といっていいのか、「異常な新年」といっていいのかわらないですが、1月上旬は暖かさが続きそうです。これは、少なくとも、 1月10日頃までは続きそうです。

なお、寒波の真っ只中だった 12月22日は以下のような様相でした。

2023年12月22日の東アジアの気温の平年との差異

tropicaltidbits.com

 

しかし、その後、また「北半球に極端な寒さがやってくる可能性がある」のです。

というのも、現在、

「成層圏突然昇温という現象が進行している」

ことが、海外のさまざまな気象メディアにより伝えられています。

成層圏突然昇温というのは、成層圏の気温が「突然上昇する」ことで、これが起きると、必ず何がどうなるということはないのですが、

「北極上空を規則正しく循環している冷たい大気の流れ(極渦)が崩壊して、北半球の広範に極端な寒波をもたらす

ことが多いのです。

メカニズムなどについては、2021年の以下の記事に書いています。この時にも成層圏突然昇温が発生して、北半球各地で極端な寒波がもたらされました。

(記事)成層圏の気温が突然上昇する現象により北極の大気循環が崩壊。これにより2月にかけて北半球に超低温がもたらされる可能性が。そして低気温とウイルスの関係…
In Deep 2021年1月9日

暖かいにしても寒いにしても、気温の差ががあまりにも上下するような期間が続きますと、健康面にもあまり良くないかもしれません。

しかし、現時点での予測としては、暖かい時と寒い時が、それぞれ極端な気温でやってくる可能性が高くなっています。

経済や疾患や戦争など、いろいろと荒れる要素の多そうな 2024年ですが、気温と気象も、少なくとも年の前半は荒れそうです。







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