2019年11月09日のインド北部ジャンムーカシミールの光景
北半球の各地が、時期としては異例の寒波と大雪に見舞われていますが、この寒気の影響は、インドにも及んでいます。
インド北部のジャンムーカシミール地方を中心に、11月初旬から異例の大雪が降っており、11月9日までに、少なくとも 11人が雪のために亡くなったと、インドのメディアは報じています。
画像などを見ますと、積雪量はかなりのもので、「時期として異例」というより、インドでの降雪として異例の状況といえそうです。
2019年11月09日のジャンムーカシミールの各地の様子
この雪による人的被害も大きいですが、農業被害もかなりのものとなっているようです。この地方は、リンゴ農場などが多くありますが、軒並み被害を受けていると報じられています。
カシミールは、この果樹生産が最大の輸出産業となっています。
また、交通やインフラへの影響も大きく、この地方の最大の空港であるリナガル国際空港の航空機の発着はすべてキャンセルされており、各地で交通事故や停電、地滑りなどによる道路の遮断などが各地で発生していると報じられています。
なお、地名について「ジャンムーカシミール」と表記していますが、実はなかなか複雑な事情のある場所で、インドのジャンムーカシミール州という地名は、今年 8月に「消えて」しまいました。
それについては、以下のような報道でご確認くださればと思います。
・ジャンム・カシミール州の自治権を剥奪、2つの連邦直轄地に分割(日本貿易振興機構 JETRO 2019/08/09)
ですので、今はジャンムーカシミールとは呼ばないのですが、慣例的な意味でこのように表記しています。
今後の上空の寒気の流れの状態によっては、インドやパキスタンで異例の寒波や大雪に見舞われる地域がさらに増えるかもしれません。