全住民に避難命令が出されたグリンダヴィークの町。Guardian
住民の強制避難が始まる
アイスランドの南西部では、10月下旬から群発が続いていました。
しかし、火山の多いアイスランドで群発地震が発生することは比較的よくあることですので、いつものように沈静化するのだと思っていましたら、10月下旬からの地震の発生数が、
「 2万4000回に達した」
ということで、そして、11月11日、過去48時間だけの地震発生回数が 2300回を超え、さらには、火山噴火の可能性がきわめて高まっているとして、非常事態宣言が発令されました。
以下は、現地時間 11月11日午前2時までの 48時間の地震発生状況ですが、10日の午後から急速に地震の規模と回数が増大しています。
11月11日午前2時までの 48時間の地震発生状況(2356回)
vedur.is
これを受けて、アイスランド南西部のグリンダビークという人口 3700人ほどの町に対して、「住民全員に避難命令」が発令されました。
グリンダビークの場所は以下です。
Google Map
過去48時間のアイスランドの地震発生マップは以下となっています。★ がマグニチュード3以上を示していますので、グリンダビーク周辺は相当な揺れに見舞われているようです。
アイスランドの過去48時間の地震発生マップ
vedur.is
地元の報道は、住民にあてて以下のように報じています。
緊急事態/緊急事態宣言、グリンダヴィークに避難命令
Emergency/Distress Phase Announced, Grindavík Ordered To Evacuate
grapevine.is 2023/11/11
アイスランド気象庁は、グリンダヴィークの町の下に岩脈が形成された可能性があると報告した。人口 3,700人の町の地下にマグマの侵入が広がっている可能性があるため、強制避難が命じられた。
この件に関する気象庁の最新情報の一部は以下のとおりだ。
地震活動はグリンダヴィークに向かって南に移動しました。今日の午後 6時以降の地震活動の推移と GPS 測定の結果に基づいて、マグマの貫入がグリンダヴィークの下に広がっている可能性があります。
アイスランド国民保護省は警戒レベルを緊急/災害段階に引き上げた。それが意味するのは次のとおりだ。
緊急段階は、すでに始まっています。人々、地域社会、資産、環境に危害をもたらす可能性がある、またはすでにもたらしている出来事によって特徴付けられます。
この段階では、安全を確保し、人命を救い、死傷者、損害、損失を防ぐために直ちに措置が講じられます。
携帯電話のアラート:災害や緊急事態が発生した場合、国民保護局は携帯電話塔を介した携帯ブロードキャストを使用して、影響を受けた地域の携帯電話に警報を送信します。
重大な災害が発生した地域には警報が放送されます。セルブロードキャスト中にエリアに入ったほとんどの対応デバイスはアラートを受信するはずです。
電話機の電源が入っていて、通信可能で、対象の場所内にいる場合は、アラートが届くはずです。アプリをダウンロードしたり、サービスに登録したりする必要はありません。
携帯電話が機能し、更新されていることを確認するだけで済みます。メッセージに返信することはできません。緊急の場合は112番にご連絡をください。
国民保護局長のヴィジル・レイニソン氏は、この記事の執筆時点でテレビの生中継を行っており、今夜グリンダヴィークの町から強制避難を行うと発表した。
同氏は、住民は今後 2~ 3時間以内に町を離れなければならないと強調した。ヴィジル氏は記者団に対し、これは 30分以内に町を立ち退かせる「緊急避難」ではないと明言した。
避難している住民には、外出する際には家の電気を切り、すべての窓を閉めるよう指示されている。さらに、家が避難したことを示す紙をドアや通りに面した窓に貼るよう求められる。