8月30日のトルコの英字メディアより
世界のさまざまな地域で、感覚的には、この数年「異様に地震が増えている」というような思いはありました。
しかし、最近、トルコ当局から発表された資料とデータは、単に増えているのではなく、少なくともトルコにおいては、地震が「異常に増えている」ことが明らかにされたのでした。
1990年代には年間 300件ほどだった地震が、2016年には「年間2万件」を大きく超えるようになっており、そして今年 2017年は過去最大の地震の回数を記録していたのです。
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トルコ政府には、地震などの自然災害に対応する機関として「トルコ首相府災害危機管理庁(AFAD)」があります。
8月30日、このトルコ災害危機管理庁から過去 27年間の地震発生回数の推移と、そして、今年7月までの地震の発生回数に関して発表があったのです。
下がそのグラフですが、驚かれるかと思います。
・AFAD
小さくて数字など見えづらいと思いますので、下のように、ふたつの期間に分割しますと、わかりやすいかと思います。
・AFAD
この極端な増加ぶりがおわかりでしょうか。
2003年頃までは、トルコでの地震発生回数は年間数百件ほどで、1996年のような「 169件」という年もあったほどです。
ところが、2004年なり、1年間の地震発生回数が 7682回を記録して以来、
・2005年 9481回
・2008年 1万 1754回
・2011年 2万 9831回
と、尋常ではない急増ぶりを見せています。
そして、さらに、今年 2017年は、7月の終わりまでで 2万6920回の地震を記録していることも発表されました。
もし、仮に今のままのペースで地震の発生が続きますと、2017年のトルコの地震発生回数が過去最高になるのは間違いなく、年間 4万件などの地震発生もあり得ない数字ではないかと思われます。
なぜトルコの地震がここまで増えているのか理由は明らかではないですが、もしかすると、同じような状況となっている地域も他にあるのかもしれません。
トルコはごく稀に巨大地震が発生しますが、近年では 1999年のイズミット地震というものが有名です。
これはマグニチュード 7.6の地震で、公式発表では死者 1万 7000人とされていますが、実際には死者行方不明 4万 5000人以上と推定されています。
そのトルコの科学者たちは、それほど遠くない未来に、同じような規模の、あるいはもっと大きな地震が「確実に来る」と予測しており、最近ではメディアでも報じられています。
8月18日の報道より
専門家が、近い将来の大地震を確信しているのは、トルコのマルマラ海を震源とする地震です。
このマルマラ海というのはブルガリアやギリシャなどにも近い場所で、実際に大地震が発生すれば、影響の範囲はかなり広くなります。
トルコ・マルマラ海
・Google Map
専門家たちの地震発生予測が的中することはあまりないですので、この場所で地震が発生するかどうかはともかく、トルコ自体で地震が急激に増えていることは事実で、そのあたりからは、上の地図にある周囲の同じプレート上の地質も変化してきているという可能性もあるのかもしれません。
そして、ふと思うのは、世界中で正確にデータをとれば、実は地震は世界の多くの地域でとんでもなく増えているものなのかもしれません。