2017年9月1日の報道より
2017年8月30日 インド・トリプラ州の州都アガルタラ
Sponsored Link
アメリカのテキサス州で壊滅的な被害を出している熱帯低気圧ハービーの豪雨による洪水の死者数は 9月1日の時点で少なくとも 45人になったと報じられています。
そのアメリカの洪水に隠れて、あまり報じられてはいないですが、南アジアのモンスーンによる洪水被害が少なくとも過去数十年の中で最悪の規模に達している可能性があることが伝えられています。
8月の初めから続くモンスーンの雨による洪水は、ここに来て拡大に拡大を続け、最近1週間ほどの間に死者が 1000名を超え、9月1日の当局の発表で、死者数が少なくとも 1400名を超えていることがわかりました。
8月29日 インド・ムンバイ市内の様子
現実的には、どの国にしても、当局が被害の全容を把握しているわけではないため、実際には被害はまだまだ大きなものとなっている可能性があります。
被災した人の数は、3カ国で 4000万人に達していると考えられ、また同地域では 180万人以上の子どもたちが、校舎そのものや交通網などの破壊により、学校へ行くことができなくなっていると報じられています。
インド・グワーハーティー いかだで移動する子どもたち
インド・ムンバイ 川と化した道路での子どもたち
洪水そのものの人的被害も甚大ですが、この洪水により、さまざまなインフラが破壊されており、公共の建物や学校の多くが壊され、また農地も壊滅的な被害を受けていることで、比較的貧しい人々が多いこれらの地域では「洪水のあと」の問題が早くも浮上しています。
洪水に農地を完全に破壊されたバングラデシュの農家の男性
主要国の報道メディアでは、「該当する各国が、モンスーンに対しての対策を講じていなかったためだ」というような非難の論調も見られますが、ただ、モンスーンそのものは「毎年来ているもの」でもあり、対応といっても難しいものはあるかもしれません。
特に今年は「前例のない雨量」となってしまったようで、インドの災害管理担当局の代表者は、メディアの批判に対して、
「たった2日間で1年分の雨が降った場合への対処法などあるだろうか?」
と反論していましたが、実際の雨量はともかく、壮絶な豪雨が長く続いたことは確かなようです。
世界中で続いている「信じられない雨量」。日本も例外ではなく、尋常とはいえない雨に頻繁に見舞われるようになっていますが、これが一過性のものとも思えず、こういう「異常な雨」が一般化していくのかどうかが気になります。