2020年10月10日 米ルイジアナ州に向かう「デルタ」の衛星画像
・Zachary Hall
アメリカ南部にハリケーン「デルタ」が近づいています。
このデルタに関しての報道は以下のようになります。
ハリケーン「デルタ」が米に接近 カテゴリー3、壊滅的被害に警戒
AFP 2020/10/09
米南部ルイジアナ州に、ハリケーン「デルタ(Delta)」が接近している。同州沿岸地域の住民は9日、避難を余儀なくされた。当局は、高潮や鉄砲水が発生して人命が奪われる恐れがあるとして、警戒を呼び掛けている。
デルタの勢力は現在、カテゴリー3。国立ハリケーンセンターによると、カテゴリー3は「壊滅的被害」をもたらしかねない強さだという。米国には9日夜に上陸する見通し。
先月末にカテゴリー4のハリケーン「ローラ(Laura)」により甚大な被害を受けたばかりで、まだ復旧途中にあるルイジアナ州住民の一人は、「少なくとも帰る家がありますようにと、神様に毎晩祈っている」と語った。
そのデルタがルイジアナ州に接近する中、撮影された気象衛星の画像が冒頭のものとなります。
投稿したのは、米国アーカンソー州で気象ニュースの司会者をしている方で、自らの SNS に、
「ハリケーンデルタに、今日の午後, 邪悪な顔を見ました」
という言葉と共に投稿していました。
なお、このハリケーン・デルタはいくつかの「記録」をすでに保持していまして、これは、今年アメリカ本土へ上陸した 10個目のハリケーンとなるのですが、この「 1年間に 10日のハリケーンの上陸」というのは過去に例がない単独1位の記録です。
気象予報士の森さやかさんの記事では、このデルタの持つ記録を以下のように書かれてらっしゃいました。記事からの抜粋です。
ハリケーン・デルタ、米南部上陸へ 史上最多「10個目」より
デルタは様々な記録を塗り替えています。
まず、予想通りの進路を取るとなると、ルイジアナ州へは今年4つ目の上陸となり、2002年に並ぶ州の観測史上最多の記録となりなす。
さらに、アメリカ本土への今年10個目の上陸ともなり、これまた前代未聞の記録になります。すでにこれまでの最多記録である1916年の9個に並んでいますが、それを超えて単独1位の記録となるのです。
(今年は、大西洋で記録的な数の嵐が発生している中で)デルタは今年25号目ですが、年の平均発生数は通常10個ほどです。
これまでの大西洋における発生最多記録は2005年の28個ですが、今年はそれを越えて、史上最多の年となることが予想されています。 (Yahoo! ニュース)
そのようなさまざまな記録を持つデルタなのでした。
なお、アメリカの気象衛星画像が、カラーで示されるようになって以来、さまざまなハリケーンの「顔」が示されていまして、 In Deep などでも過去に何度か取り上げていました。
2017年9月18日 ハリケーン「マリア」の衛星画像
・ドクロ顔のハリケーン「マリア」が刻む無慈悲な進路…
2016年10月5日 ハリケーン「マシュー」の衛星画像
・悪魔顔のハリケーン…
2017年9月8日 ハリケーン「イルマ」の衛星画像
・マシュー、そしてイルマ… 聖書のベヒモスのごとき顔のハリケーンたち…
これらには、大変な被害をもたらしたハリケーンも多いです。
アメリカのハリケーンシーズンはまだ終わりではなく、これまでの活発な発生状況を考えると、今後もハリケーンの発生はしばらく続きそうです。