NASA
4月20日、太陽で Xフレアが発生しました。
規模は、X 2.2 で、大きな Xフレアではないですが、3月31日に以下の記事で取りあげました X 1.8の太陽フレアより規模が大きなものでした。
[記事] 巨大黒点群2975からXフレアが発生。南米と北米の短波無線がブラックアウト
地球の記録 2022年3月31日
以下は、NASA の太陽観測衛星が撮影した 4月20日の Xフレアの様子です。右下の黒点群 AR 2992 というエリアで爆発が発生しました。
この黒点 AR 2992 は、現在はすでに太陽の裏側に回っていますので、地球からは見えなくなっていますが、「見えなくなる頃に爆発した」ようです。
したがって、この太陽フレアは地球に直接向いていませんので、太陽嵐などを含めて実生活への影響があるようなことはないと思われます。
ただ、太陽フレアの後、アジアで短波無線の停止が報告されていまして、ブラックアウトマップを見ますと、中国、ロシア東部、日本、インド、東南アジア、オーストラリアなどが影響を受けたことが示されていますので、短波無線に短時間の電波停止の影響は出ていたかもしれません。以下がマップです。
ブラックアウトマップ
Blackout Map
そして、太陽活動はどんどん大きくなっています。
以下は、NICT (国立研究開発法人 情報通信研究機構)の過去 7日間の太陽フレアの発生状況です。
2022年4月14-20日までの太陽フレアの発生状況
swc.nict.go.jp
先月から見ても、太陽活動の緩やかな上昇傾向は変化していないですので、今後もさらに大きくなる可能性のほうが高そうです。
4月20日の太陽フレアについて、スペースウェザーの記事をご紹介します。この記事にありますが、以下のさらに巨大な2つ(複合的になっているので2つ以上に見えます)の黒点群が地球に向いてきています。
太陽活動が激しくなっている
SOLAR ACTIVITY IS INTENSIFYING
spaceweather.com 2022/04/20
過去 24時間だけで、太陽は 19回以上の太陽フレアを発生させた。この集計には、過去24時間の 5つの Mクラスの爆発と強力な X2.2クラスのフレアが含まれる。
この太陽フレアの連続は、今後、巨大な黒点複合体である AR2993 と AR2994が地球に向かって進むにつれて、継続する可能性がある。
Xクラスの太陽フレアが発生
太陽が Xフレアを生成した。地球を周回する太陽観測衛星は、4月20日@0357UTに X2.2クラスの爆発を検出した。驚くべきことに、それは地球から見て、太陽の向こう側の黒点から来たものだ。フレアの発生源は、黒点 AR2992 で、この黒点は、昨日、太陽の南西端から裏に回っていったものだ。
現在、このフレアを発生させた黒点はまったく見えない。太陽の端の後ろに隠れており、爆発した場所は見えなくなっているため、実際のこのフレアは、公称の X2.2よりも強かった可能性が非常に高い。
フレアの直後、アメリカ空軍が、タイプIIの太陽電波バースト(※ 軍無線の通信障害につながる可能性があるもの)を報告した。これは、 CME (コロナ質量放出)が爆発したエリアから発生したことを示唆している。タイプIIの電波バーストは、CME の前縁の衝撃波によって引き起こさる。
フレアからの放射により、東南アジアなどで短波無線のブラックアウトが発生した。ブラックアウトマップはこちらにある。
この地域の船舶の乗員たちとアマチュア無線家たちは、30MHz未満の周波数で 1時間程度、無線接続が失われていたことに気付いた可能性がある。