米 CDC (疾病予防管理センター)の「ワクチン有害事象報告システム / VAERS」のデータの最新情報を定期的にご紹介しています。
今回は、2022年4月8日までの以下のデータからです。
Found 1,226,314 cases where Vaccine is COVID19
前回分は以下になります。
[定期]CDCへの4月1日までのワクチン接種後の死亡報告は 26,699件。有害事象報告は 1,217,233件。ワクチン2回接種済みの15歳の女性がコロナで死亡
現時点で最新の CDC の有害事象の全体の報告数、死亡報告数、重症報告数のそれぞれの前回からの 1週間の推移は以下のようになります。
・有害事象報告 121万7233件 → 122万6314件
・死亡事例報告数 2万6699件 → 2万6976件
まず、17歳以下の若い世代の有害事象報告です。
十代の有害事象と死亡事例
・12歳から16歳の有害事象報告 26,680件(データ)
・12歳から16歳の「重症」事例 2,889件 (データ)
・9歳から11歳の有害事象報告 5,812件(データ)
・9歳から11歳の「重症」事例 175件(データ)
・6歳から8歳の有害事象報告 3,625件(データ)
・6歳から8歳の「重症」事例 132件(データ)
以下は、12歳から16歳の「心臓に関して」の障害の報告数です。
・12歳から16歳の心臓障害の事例報告 930件 (データ)
11歳以下の「心臓に関しての有害事象」に関しては、以下のようになっています。
・9歳から11歳の心臓障害の事例報告 16件 (データ)
・6歳から8歳の心臓障害の事例報告 8件 (データ)
なお、前回までの記事でも少し書きましたが、最近の査読済み論文によれば、
「コロナワクチン関連の心筋炎を起こした青少年の 3分の2以上が、最初の診断から数か月後になお心臓の異常が持続していた」
ことが示されていたことが報じられていました。
以下の論文です。
COVID-19mRNAワクチン接種後の心筋心膜炎の青年のコホートにおける持続的な心臓MRI所見
Persistent Cardiac MRI Findings in a Cohort of Adolescents with post COVID-19 mRNA vaccine myopericarditis
心筋炎は一過性の「副反応」ではありません。心臓の筋肉は再生されませんので、基本的には一生リスクを持ち続けます。
次に、若い世代の死亡事例です。
・12歳から16歳の「死亡」事例報告 69件 (データ) 前回までは 68件
・5歳から11歳の「死亡」事例報告 5件 (データ) 前回までは 5件
12歳から16歳の死亡事例報告が 1件増えました。13歳の女性(ID 2219656)で、アメリカ以外ですが、国名は不明です。ワクチン接種後、5日目に、てんかんを起こしたあと、意識を喪失して死亡したと書かれてあります。
以下は、 5歳から17歳の死亡事例の詳細です。ID 番号のリンク先に詳細な個別臨床データページがあります。
5歳から17歳までの死亡事例報告リスト
2022年4月8日まで
・15歳 / 女性 / ニューハンプシャー州
[症状]アナフィラキシー反応、心停止
[接種から死亡まで] 1日 (ID 1187918)・16歳 / 女性 / ウィスコンシン州
[症状]心停止
[接種から死亡まで] 9日 (ID 1225942)・15歳 / 男性 / コロラド州
[症状]心不全
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1242573)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状]死亡(原因不明)
[接種から死亡まで] 48時間以内 (ID 1382906)・16歳 / 男性 / ジョージア州
[症状]胃腸穿孔、状態悪化
[接種から死亡まで] 4日 (ID 1386841)・13歳 / 男性
[症状]インフルエンザ様疾患が2日間続いた後に死亡
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1406840)・16歳 / 女性 / ペンシルベニア州
[症状] 胸痛、血球貪食性リンパ組織球症、心嚢液貯留、長期入院、死亡
[接種から死亡まで] 73日 (ID 1420630)・13歳 / 男性 / ミネソタ州
[症状] 小脳出血、 心停止、死亡
[接種から死亡まで] 17日 (ID 1431289)・13歳 / 男性
[症状] 不明
[接種から死亡まで] 不明 (ID 1463061)・13歳 / 男性
[症状] 心臓肥大、 心筋炎、死亡
[接種から死亡まで] 0日 (ID 1429457)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状] 死亡
[接種から死亡まで] 27日 (ID 1466009)・16歳 / 男性 / ペンシルベニア州
[症状]死亡
[接種から死亡まで]6日 (ID 1475434)・15歳 / 男性 / ニューヨーク州
[症状]失神、心室性頻脈、死亡 (接種後4日目にサッカー場で倒れて死亡)
[接種から死亡まで]4日 (ID 1498080)・13歳 / 女性 / メリーランド州
[症状]心室頻拍、死亡
[接種から死亡まで]27日 (ID 1505250)・13歳 / 女性
[症状]死亡
[接種から死亡まで]不明 (ID 1655100)・16歳 / 女性 / ウィスコンシン州
[症状]肺塞栓症
[接種から死亡まで98日 (ID 1694568)・16歳 / 男性
[症状]心不全、心筋症
[接種から死亡まで]23日 (ID 1734141)・16歳 / 女性 / テキサス州
[症状]倦怠感、死亡
[接種から死亡まで]1日 (ID 1757635)・15歳 / 男性 / ニューハンプシャー州
[症状]心臓内腫瘤、 心筋壊死、 心筋炎 (遊泳中に心臓発作で死亡)
[接種から死亡まで]6日 (ID 1764974)・16歳 / 男性
[症状]自死
[接種から死亡まで]8日 (ID 1576798)・13歳 / 女性 / メリーランド州
[症状]急性膵炎、神経弛緩性悪性症候群、非感染性脳炎、全身性けいれん発作、死亡
[接種から死亡まで]15日 (ID 1815096)・12歳 / 女性 / サウスカロライナ州
[症状]呼吸管出血、死亡 (先天性染色体異常の基礎疾患あり)
[接種から死亡まで]0日 (ID 1784945)・16歳 / 女性 / ミズーリ州
[症状]死亡(死因不明)
[接種から死亡まで]91日 (ID 1823671)・16歳 / 女性 / ジョージア州
[症状] 心停止、肺出血、死亡
[接種から死亡まで]2日 (ID 1865389)・13歳 / 女性 / テキサス州
[症状] 左心房腫瘤、悪性腫瘍、死亡 (左心房の腫瘤で入院。接種から 91日後に死亡。それまでは病歴なし)
[接種から死亡まで]91日 (ID 1913198)・16歳 / 男性
[症状]自殺 (注意欠陥多動性障害の病歴。接種後8日目にアパートの最上階から飛び降りて死亡)
[接種から死亡まで]8日 (ID 1576798)・15歳 / 女性
[症状] 無力症、脳死、心停止
[接種から死亡まで]27日 (ID 1592684)・13歳 / 男性
[症状] 多臓器不全、敗血症性ショック
[接種から死亡まで]3日 (ID 1633205)・15歳 / 男性
[症状] 死亡
[接種から死亡まで]4日 (ID 1668800)・14歳 / 男性
[症状] 肺水腫、心不全
[接種から死亡まで]38日 (ID 1690103)・16歳 / 男性
[症状] 心停止、心室細動、腸虚血
[接種から死亡まで]6日 (ID 1702154)・16歳 / 女性
[症状] 不明 (午前中に接種を受け、午後にベッドで死亡しているのが発見される)
[接種から死亡まで]不明 (ID 1732657)・15歳 / 男性
[症状]脳出血、 脳脳室破裂
[接種から死亡まで]4日 (ID 1755460)・17歳 / 女性 / ワシントン州
[症状]心停止、 死亡 (報告した医師は、死因は心筋炎と考えられると報告)
[接種から死亡まで]38日 (ID 1828901)・15歳 / 男性
[症状]気管支痙攣、呼吸困難、意識喪失
[接種から死亡まで]1日 (ID 1845034)・13歳 / 男性
[症状]心肺停止 (接種4時間後に浴槽で沈んで死亡しているのが発見され、直接的な死因は溺死とされる)
[接種から死亡まで]0日 (ID 1862946)・12歳 / 男性
[症状]心筋炎、神経弛緩薬悪性症候群、死亡 (接種の2日後に死亡しているのが発見される)
[接種から死亡まで]2日 (ID 1865979)・13歳 / 男性
[症状]神経弛緩薬性悪性症候群、痙攣、非感染性脳炎(接種の9日後に痙攣を起こして死亡。それまで関連する病歴なし)
[接種から死亡まで]9日 (ID 1931744)・14歳 / 女性
[症状]嘔吐、呼吸困難、死亡
[接種から死亡まで]4日 (ID 1953855)・16歳 / 男性
[症状]神経弛緩薬性悪性症候群、全身性紅斑性狼瘡、非感染性脳炎
[接種から死亡まで]1日 (ID 1960928)・15歳 / 男性
[症状]全身性腹痛、呼吸困難、体の衰弱
[接種から死亡まで]1日 (ID 1960942)・14歳 / 女性
[症状]脳損傷、心停止 、多臓器不全症候群
[接種から死亡まで]15日 (ID 1971636)・14歳 / 女性
[症状]動脈瘤、小脳出血、くも膜下血腫
[接種から死亡まで]21日 (ID 1978327)・12歳 / 女性
[症状]糖尿病性ケトアシドーシス、動悸、呼吸困難
[接種から死亡まで]8日 (ID 1987607)・16歳 / 女性
[症状]神経弛緩性悪性症候群、ギラン・バレー症候群、非感染性脳炎
[接種から死亡まで]0日 (ID 1987601)・14歳 / 女性
[症状]失神、呼吸不全、心室細動、心停止
[接種から死亡まで]7日 (ID 1991078)・13歳 / 女性
[症状]呼吸困難、アナフィラキシー反応、死亡
[接種から死亡まで]6日 (ID 1994375)・13歳 / 女性
[症状]非感染性脳症、非感染性髄膜炎、心筋炎
[接種から死亡まで]5日 (ID 1994389)・12歳 / 男性
[症状]髄膜炎菌性髄膜炎、発疹性掻痒症、敗血症性ショック
[接種から死亡まで]7日 (ID 2016548)・16歳 / 女性
[症状]呼吸困難、死亡
[接種から死亡まで]3日 (ID 2016554)・16歳 / 女性
[症状]無力症、呼吸困難、死亡
[接種から死亡まで]0日 (ID 2016558)・12歳 / 女性
[症状]悪寒、そう痒症、死亡
[接種から死亡まで]20日 (ID 2033958)・16歳 / 女性
[症状]発熱、神経弛緩薬性悪性症候群、死亡
[接種から死亡まで]29日 (ID 2045645)・14歳 / 男性
[症状]呼吸困難、心不全、死亡
[接種から死亡まで]不明 (ID 2045651)・13歳 / 男性
[症状]急性膵炎、死亡
[接種から死亡まで]7日 (ID 2074035)・7歳 / 女性 / ミネソタ州
[症状]アナフィラキシー反応、神経弛緩性悪性症候群、呼吸不全等
[接種から死亡まで]7日 (ID 1975356)・5歳 / 女性 / アイオワ州
[症状] 血液ガス異常、血液pHの低下、呼吸停止
[接種から死亡まで]4日 (ID 1890705)・15歳 / 男性
[症状] 心不全、心筋症、心臓肥大
[接種から死亡まで] 90日 (ID 2102309)・8歳 / 男性 / ミズーリ州
[症状] 小児多系統炎症性症候群、心臓呼吸停止、等
[接種から死亡まで] 7日 (ID 2109625)・11歳 / 女性 / ジョージア州
[症状] 不明
[接種から死亡まで] 不明 (ID 1696757)・13歳 / 女性
[症状] 心筋炎
[接種から死亡まで] 7日 (ID 2139356)・16歳 / 女性
[症状] 急性呼吸不全、酸素性虚血性脳症、肺炎
[接種から死亡まで] 58日 (ID 2139355)・13歳 / 女性
[症状] 調整障害、大動脈弁機能不全、心停止
[接種から死亡まで] 1日 (ID 2133950)・13歳 / 女性
[症状] 心筋炎
[接種から死亡まで] 7日 (ID 2139356)・13歳 / 女性
[症状] 下痢、嘔吐、脱水症
[接種から死亡まで] 0日 (ID 2164658)・7歳 / 男性 / ワシントン州
[症状] 心停止
[接種から死亡まで] 13日 (ID 2152560)・16歳 / 男性
[症状] 急性膵炎、意識の低下、死亡
[接種から死亡まで] 約2ヵ月 (ID 2167463)・17歳 / 男性 / イリノイ州
[症状] 心停止
[接種から死亡まで] 5日 (ID 2171083)・14歳 / 男性 / グアム
[症状] 自殺
[接種から死亡まで] 7日 (ID 2157944)・16歳 / 女性
[症状] 死亡 (明確な死因は不明)
[接種から死亡まで] 0日 (ID 2196121)・17歳 / 男性 / ジョージア州
[症状] 睡眠中の突然死
[接種から死亡まで] 6ヵ月 (ID 2189006)・15歳 / 女性 / サウスダコタ州
[症状] SARS-CoV-2検査で陽性、死亡
[接種から死亡まで] 5ヵ月 (ID 2189006)・13歳 / 女性
[症状] 意識の喪失、発熱、死亡
[接種から死亡まで] 5日 (ID 2219656)
次に全年齢層の有害事象報告です。
全体の有害事象事例
毎回見ている「ベル麻痺(顔面麻痺の一種)」「流産、早産」「アナフィラキシー反応」は、以下のようになっています。
・ベル麻痺(顔面神経麻痺) 10,022件(データ)
・流産・早産・死産 4,377件 (データ)
・アナフィラキシー反応 293,861件(データ)
・血栓 / 血液凝固 / 血小板減少 38,137件(データ)
・ギランバレー症候群 2,644件 (データ)
ベル麻痺(顔面麻痺)の総報告数が 1万件を超えましたが、ベル麻痺の内訳は、
・ファイザー社ワクチン 7340件
・モデルナ社ワクチン 2130件
と、ほぼこのふたつのワクチンが占めています。
なお、このワクチン有害事象報告(VAERS)に報告される有害事象は、全体の 1%未満であることがわかっていまして、2006年のアメリカの連邦調査報告書の「最終報告」をこちらの 2021年1月の記事で翻訳しています。
それを念頭に置いた上で、現在までの「若い世代」の有害事象報告は以下のようになっていることが報じられています。
2020年12月14日から2022年4月8日までの5〜11歳の米国のVAERSデータが示すこと
・重篤と評価された 242件と報告された 5件の死亡を含む 10,216件の有害事象
・心筋炎と心膜炎(心臓の炎症)の 18の報告
・血液凝固障害の 39の報告
2020年12月14日から2022年4月8日までの12歳から17歳の米国のVAERSデータが示すこと
・重篤と評価された1,792人と報告された 44人の死亡を含む 31,048件の有害事象
・反応が生命を脅かす、治療が必要、または死に至った 12〜17歳のアナフィラキシーの 67件の報告。この症例の 96%はファイザー社ワクチンによるもの
・心筋炎と心膜炎の 651件の報告、このうちの、639件の症例がファイザー社ワクチンに起因する
・血液凝固障害の 166件の報告。これはすべてがファイザー社ワクチンによる
このようになっています。