2017年6月14日のアルジャジーラより
中東のイエメンで、コレラの大流行が起きています。
5月のはじめにコレラ患者が発生した後、まさに急激に感染が拡大しており、6月12日の時点で 12万 4000人が感染したとされ、923人が亡くなったと発表されています。
現地で活動している国際慈善団体は「現在、イエメンでは、1時間に1人がコレラで死亡している」と発表していますので、今現在も患者数と死者数は増え続けていると考えられます。感染地域は、イエメンのほぼ全土に拡大しているようです。
下のグラフは 5月9日に最初のコレラ患者がイエメンで発生してからの感染者数の推移を示したものです。約1ヶ月ほどの間にものすごいペースで患者数が拡大したことがわかります。
そのイエメンのコレラの最新の状況をお知らせしたいと思います。
Sponsored Link
なお、イエメンは内戦下にあり、それによる荒廃などで、全人口の3分の2が飢餓に直面しているとされています。
それと共に、病院、インフラなども壊滅的なことになっているようです。
そのような状況であるため、WHOは、今後 6カ月以内に 30万人以上の人々に感染が拡大する可能性を警告しています。
病室に入りきれずに病院の廊下で治療を受ける人々
食糧、医療ともに不足している状態のイエメンのあたりは、最近は、気候も非常に不安定でもあり、なかかな厳しい局面が続く可能性もあります。
イエメンの場所
・Google Map
今回は中東カタールの放送局アルジャジーラの報道をご紹介します。
Cholera death toll in Yemen doubles in two weeks
aljazeera.com 2017/06/14
イエメンのコレラでの死者数はこの2週間で倍増
内戦で荒廃したイエメンで、コレラ感染が急拡大している。世界保健機構(WHO)によると、死者数は過去 2週間でほぼ倍増して 923人となった。
コレラは現在、イエメンの 22州うちの 20州に及んでおり、124,000件以上の感染疑い例があると 6月12日に WHO は述べた。WHOは、今後 6カ月以内に 30万人もの人々に影響を及ぼす可能性があると予測ししている。
イエメンでコレラによる緊急事態が宣言されたのは 5月のはじめだった。サナアという町で最初のコレラ患者が発生した。
国際慈善団体オックスファム(Oxfam)は、現在、コレラがイエメンで1時間に1人を殺していると発表した。
イエメンでの2年間の内戦は、国の医療制度に大きな負担をかけており、コレラに感染した何千人もの人々が治療を受けることができずにいる。
ユニセフによれば、医薬品や点滴用品などは急速に枯渇してきており、また、多くの保健医療従事者は、この9ヶ月間、給与の支払いを受けていないという。
このラマダンの時期に、イエメンでは数百万人の人たちが飢餓状態にある。
さまざまなコレラの流行地域から人々は逃げ出しているが、避難した先でも、また新たな感染が発生する事例が繰り返して起きている。
イエメンの内戦は2年目となり、国連によれば、内戦で毎月平均 100人が命を失っている。そして、その内戦下で、コレラも現在非常に早い速度で人の命を奪い続けている。
2年を超える内戦では、1万人以上の人々が死亡し、数百万人が海外へ移住したために、イエメン国内のインフラは、その大部分も破壊されたままだ。
機能している医療施設はわずかで、イエメンの人口の3分の2が安全な水を手に入れることができていないと国連は述べる。