大量死 戦争の時代 異常な現象

「アメリカのフェンタニルによる厄災は、中国の国策による宣戦布告なき実質的な戦争だ」とする主張が米国内で広がっている

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scmp.com




死者数はすでにベトナム戦争の兵士の全死亡者数を超えた

アメリカで、フェンタニルによる若者たちの過剰死の問題がクローズアップされ始めたのは 2016年頃のことで、その頃、In Deep の記事にも書いたことがありました。

その後も、アメリカでのフェンタニルの過剰摂取による死亡数は上昇する一方で、2000年から 2022年までの死亡数の推移は以下のようになっています。

米国のフェンタニルによる死亡数の推移(2000年 - 2022年)

usafacts.org

 

フェンタニルは、本来は病院での処方薬ですが、「医療用薬剤」としては、やや常軌を逸した鎮痛作用と即効性があるのが問題です。

> フェンタニルは、主に鎮痛薬として使用される強力な合成ピペリジン系オピオイドである。ヘロインの50倍、モルヒネの100倍の効力を持つ。…フェンタニルは非常に即効性があり、比較的少量で過剰摂取を引き起こす可能性があるWikipedia

 

もともと、こんな薬剤を通常の医療に適用するほうがどうかしていると思うのですが、その後、このフェンタニルに、さらに細工を加えた非合法品が次々とアメリカなどで蔓延しています。

フェンタニル(ヘロインの50倍の強さ)よりさらに20倍強い薬物がアメリカで蔓延中…という終末的な話
 地球の記録 2024年3月3日

ついには、フェンタニルと動物用鎮痛剤を混合した超強力なドラッグが流通している始末です(死亡するのが普通というレベルの薬効と副作用)。

最近、アメリカから発信されている中国語の報道を読んでいましたら、このアメリカのフェンタニルによる大災害は、

「中国による戦争」

だという論調が広がっていることが報じられていました。

宣戦布告なき戦争、という表現も出ていますが、大げさではない気もします。何しろ、すでにアメリカでは、ベトナム戦争での兵士の全死亡者数を超える数の若者たちがフェンタニルで死亡しているのですから。

その報道をご紹介します。太字はこちらでしています。





中国共産党はフェンタニルの生産と輸出に補助金を出しているが、アメリカの被害者たちはそれを「戦争」とみなしている

中共补贴芬太尼生产出口 美国受害者视为“战争”
ntdtv.com 2024/04/18

 

アメリカ議会の報告書は、中国共産党はフェンタニルなどの合成麻薬の製造と輸出に補助金を出していると述べた。

フェンタニルの過剰摂取は、18歳から 45歳までのアメリカ人の主な死因となっており、平均寿命が低下する原因の 1つともなっている。多くの被害者にとってフェンタニルは、中国共産党がアメリカに対抗するために始めた「戦争」とみなされている

米司法省によると、フェンタニルはヘロインの 50倍強力な合成オピオイドだ。

統計によると、2022年にアメリカでは薬物の過剰摂取で約 11万人が死亡し、そのうち 7万6千人(約70%)がフェンタニル関連で 1日平均約 200人が亡くなっている。その総数はベトナム戦争で死亡したアメリカ兵の数を上回っている

フェンタニルの過剰摂取は、18歳から 45歳までのアメリカ人の主な死因となっており、平均余命が低下する原因の 1つともなっている。

数カ月にわたる調査を経て、米下院の「中国に関する特別委員会」は 4月16日の公聴会で報告書を発表し、中国が 2018年以降、化学産業を奨励するために税制上の優遇措置やスポンサーシップ、その他の補助金を利用してきたことを明らかにした。

それらの中国の研究所は、14種類のフェンタニルまたは類似品を含む少なくとも 17種類の合成薬物およびそのような薬物を製造するための前駆体物質を違法に製造し、それらを米国、メキシコ、オーストラリア、英国、ドイツおよびその他の国に密輸している。

この報告書は、中国共産党が依然として麻薬製造に補助金を出していることを明らかにし、中国共産党は麻薬製造に「国家権力」を利用しており、アメリカ人の毒殺は中国共産党の国策であると述べている。

アメリカに流入する違法フェンタニルの 97%は中国から来ており、世界中のほぼすべてのフェンタニル前駆体は中国で生産されている

ここ数年、アメリカは中国共産党によるフェンタニル問題への対応を進め、2019年に中国共産党はフェンタニル薬物を規制薬物に分類すると発表し、両国は麻薬密売人の捜査と訴追で協力した。

その後、両国関係は悪化し、フェンタニルを議論する両国間の対話メカニズムにも影響が出たが、昨年 11月にジョー・バイデン米大統領が中国の習近平国家主席と首脳会談を行って初めて中国共産党は、フェンタニル問題に共同で対処し、麻薬密売と闘うための協力再開に同意した。

しかし、米国は中国共産党がどれだけのことを達成したかについて依然として疑問を抱いている。 下院議員辞職を控えている「中国に関する特別委員会」のギャラガー委員長は、2019年にフェンタニル問題で交渉中、中国共産党はフェンタニルとその類似品に対する補助金を拡大したと述べた。

この報告書は、中国共産党がフェンタニル問題を麻薬問題の本当の解決策ではなく外交交渉の材料とみなしていると述べた。ナンシー・ペロシ前米下院議長が 2022年8月に台湾を訪問した後、このことは中国共産党の不満を引き起こし、中国共産党は中米麻薬対策協力の停止を含む複数の対話メカニズムの停止を発表した。

2019年にフェンタニルやその他の物質を規制物質に分類するよう中国共産党に圧力をかけた元米国司法長官ウィリアム・バー氏は公聴会で、中国共産党はメキシコと同様にフェンタニル撲滅に誠実ではないと率直に述べた。アメリカは麻薬対策に協力するが、ほとんどの場合、それは無意味だとした。

バー氏は、中国共産党政府にはこれらすべてを終わらせる能力があると述べた。「彼らはフェンタニルをオンラインで販売している人物も知っている。 問題は、彼ら自身(中国共産党)がこれに参加しているのか、そして、これらの行為を奨励しているのか、ということだ。答えはイエスだと私は思う」

アメリカ麻薬取締局(DEA)の元業務局長レイ・ドノバン氏も、これらの薬物を製造する中国の化学会社の取締役会メンバーの多くは中国共産党の高官と関係があり、さらには中国共産党から直接補助金を受け取っていると述べた。

アメリカと中国の間には多くの摩擦があるが、フェンタニルがアメリカ社会に与えた影響により、多くの人々がフェンタニルを中国共産党がアメリカに対して始めた「戦争」とみなすようになった。

フェンタニルの過剰摂取で息子が死亡したサム・チャップマン氏は、アメリカにおけるフェンタニル拡散の根本原因は中国にあると述べ、今回の委員会の報告書は中国共産党がフェンタニルの生産と輸出に資金提供していることを示しており、これは「宣戦布告なき戦争」に等しいと述べている。

チャップマン氏と家族は、子どもたちがオンラインでフェンタニル情報にさらされているかどうかに親が注意を払えるよう、イリノイ州とアメリカ議会で法案の制定を推進したいと考えている。 「親は子どものソーシャルメディアの使用に細心の注意を払う必要があります」

ジェイク・オーチンクロス下院議員は、麻薬取引による利益だけでは中国共産党の動機を説明するのに十分ではないと述べた。中国共産党は、アメリカ社会における麻薬中毒の問題を煽ることで、アメリカ社会に衰退と退廃のイメージを植え付け、21世紀におけるアメリカの世界的リーダーシップを弱体化させることを目的としていると述べた。







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