中国でも加速する人口減少
中国が、かつてない人口減に直面していることが問題化したのは今に始まったことではありませんが、その人口の減少問題が現在ますます加速しているようです。
今年発表された 2023年の中国の人口動態は、出生数が 7年連続で減少したことにより減少幅がさらに広がっています。
中国は、特に「 2023年の死亡者数の増加」が激しく、前年の増加幅の 2倍にあたる 1110万人が死亡しています。
(記事)中国の2023年の死者数は1110万人となり、前年の増加の2倍以上に
BDW 2024年1月17日
中国の現在の死者の急増の原因については、いろいろなことも思いますが、ともかく、出生率の減少と死者の増加ということが同時に進行している中で、中国の人口減少の速度も加速しつつあるようです。
以下は、中国建国(1949年10月)以来の出生率の推移です。
1950年-2019年までの中国の出生率の推移
これは、2019年までのものですが、先ほど書きましたように、中国の出生数は 7年連続で減少していますので、現在ここからさらに出生率は下がっていることになります。
中国は、長く続けられた「一人っ子政策」を 2016年に完全に廃止しましたが、「それ以降も出生数は減り続けている」という現実もあります。これについては、以下の記事に書いたことがあります。
(記事)中国の出生率が建国以来最低の数値に。一人っ子政策廃止後、中国人女性たちは「さらに子どもを生まなくなっていった」
In Deep 2020年1月23日
日本もそうですが、国家が少子化に陥る理由は単純ではないです(ワクチン前までの話としてですが)。お金をバラ撒けば、若い人たちが子どもを欲しがるようになる…というようなことは幻想であり、そのような単純な図式はまったくありません。
実際、韓国政府などは、2022年までに、少子化対策として日本円で 40兆円の予算をつぎ込みましたが、それでも、韓国の少子化は加速する一方です(というより、少子化対策以前より急激に悪化しています)。
加えて、コロナ自然感染あるいはコロナワクチンによる出生率の低下という現実があります。
これはほぼどこの国でも起きていることだと見られます。
中国は国産ワクチンでパンデミックに対応してきましたが、中国で繰り返されるコロナ感染拡大やさまざまな感染症の流行からは、中国ワクチンも「人々の免疫力を落としただけ」のように見えます。
(参考記事)「中国の多くの場所で突然死が常態化し、大連の火葬場には長蛇の列」という報道。ワクチン接種者の障害者も急増している模様
地球の記録 2024年1月6日
何だかもう、どこの国にしても「行き場がなくなっている」という感じもしないでもないです。「現在少子化に陥っている国」の中で、それが改善すると思われる国はおそらくひとつもありません。
中国に関しては「戦争」や「経済崩壊」というキーワードも高くなっていまして、他国の経済への打撃を含めて、今後、中国が世界に放つネガティブな爆発に世界が振り回されるのかもしれません。
中国の人口動態について、ロシア RT の記事です。
中国、経済低迷のさなか出生率が1949年以来最低に
CNN: на фоне экономического спада в Китае наблюдается самая низкая рождаемость с 1949 года
InoTV 2024/01/18
CNNの報道によると、中国の人口は 2年連続で減少している。高齢者が増え、若年者が減っている。この国では、子供を持ちたいと思う夫婦がますます減少しており、人口動態の危機に直面している。この憂慮すべき傾向は、成長が鈍化している経済の問題と関連している。
CNNの報道によると、中国の出生率は 1949年以来記録的に低く、人口は 2年連続で減少している。2023年の総人口は 14億人となり、前年より 200万人減少した。
人口危機により、この国の経済状況が悪化する可能性がある。
中国は投資家の逃避、デフレ、若者の高い失業率、不動産危機など、さまざまな経済問題に悩まされている。
中国政府はあらゆる方法で若い夫婦を支援し、子供を持ちたいという欲求を刺激しようとしているにもかかわらず、出生率は低下し続ける一方だ。
「中国では、結婚する人が減り、子供を持ちたいと思う夫婦が少なくなっています」とニューヨーク外交問題評議会の国際保健上級研究員、ヤーノン・ファン氏は言う。同氏の意見では、これは経済を麻痺させ失業の増加を促進したパンデミックの影響を大きく受けているという。
もう一つの問題は、総人口の減少により、生産年齢人口が減少していることだ。
同時に、年金受給者の数は増加している。政府は、高齢者を支援することを目的とし、住宅を含む高齢者のためのより良い生活条件の創出を求める、いわゆる「シルバー経済」の強化に頼らざるを得なくなった。
CNN によると、これは月々の医療費の削減に反対する年金受給者たちの抗議活動の後に始められたという。
若者の失業率も上昇している。12月の 16歳 〜 24歳の失業率は 14.9%だった。しかし、この数には、6,200万人いる学生は考慮されていない。
中国にとって最も重要な分野は依然として不動産だが、これも一定の問題に直面している。2023年の住宅販売は 8.5%減少し、2年連続の減少となった。人口の高齢化は不動産セクターの状況をさらに悪化させる可能性がある。
ポジティブな側面もある。12月の鉱工業生産は予想を上回って増加した。また、固定資産への投資と小売売上高も成長を示した。
しかし、専門家たちは、物議を醸しているこの国の人口動態と経済状況を考えると、中国政府の断固とした行動が必要であると考えている。