2017年2月9日の報道より
南米チリで、海での有毒な藻類の大発生によるとみられる原因で、サーモン(サケ)が 17万匹以上死亡したことが報じられています。
チリは昨年も大規模なサーモンおよび、さまざまな魚類の大量死が何度も起きていまして、その際の理由も、赤潮や有毒な藻の大発生とされていましたが、こう例年起きる上に、その期間も長いということは、南半球の太平洋の環境そのものに「大規模な異変」が起きていると考えても構わないと思われます。
同じ頃、南米のコロンビアでも大規模な大量死が発生しています。
Sponsored Link
チリでサーモンの大量死が発生したのは、ロス・ラゴスという場所で、コロンビアで大量死が発生したのは、マグダレーナという場所です。
チリのロス・ロゴスとコロンビアのマグダレーナ
・Google Map
2017年2月13日のコロンビアの報道より魚で埋め尽くされた海岸
コロンビアでの大量死の数などは報道ではふれられていませんが、写真を見る限り大規模な事象のようです。
なお、サーモンの大量死が何度も起きているチリは、サーモンの収穫量が世界第2位(1位はノルウェー)で、国家としても、サーモン漁は重要な位置にあります。
そのサーモンの大量死があまりにも頻繁に起きていることもあり、今回は、チリ海軍が船舶と航空機で、海の調査に乗り出しています。
調査に向かうチリ海軍の科学者たち
昨年、最初の大規模なサーモンの大量死がチリで起きたのは、今と同じ2月から3月で、その際には「 2300 万匹」という大規模な大量死となりました。
これについては、
・南米チリで有毒な「藻」の大発生で2300万匹の養殖サーモンが大量死し、同国の魚輸出産業の崩壊の危機に
2016/03/14
という記事でご紹介ししています。
そして、短い期間に、サーモンだけではなく、イワシなどの多数の魚の大量死が連続しました。
2016年3月30日のチリの報道より
これが今年も連続して発生している状況から、「海の異常」が恒常化してきているのではないかという懸念が出てきます。
あと、この原因だと思われる「藻」そのものが、現在、世界中で増えていまして、これがさらに世界中で大量死と生態系の変化をもたらす可能性があります。
・[関連記事]「大量死が著しく増加している原因」も「アルツハイマー病が著しく増加している原因」も、どちらも同じ理由が絡んでいるかもしれない — それは「世界中で増大する藻=シアノバクテリア」
In Deep 2016/02/21
海は結局はその全体がつながっていますので、どこかひとつで「極端な」異変が起きますと、それは、時間がかかるにしても、海全体へ影響が波及していくものではないかという気はします。