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カリフォルニアの山火事の煙が東海岸のニューヨークへ到達し、全米で記録的なPM2.5の状態に。煙は、ヨーロッパからロシアまでにも到達していることが確認

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カリフォルニア州の山火事の煙の中に佇む女性。 BBC




 

アメリカ西海岸での山火事は、史上最悪の規模のものとなっていまして、現在もなお、収束には向かっていません。人的被害も、カリフォルニア州で24人、オレゴン州で10人、ワシントン州で1人が死亡したと伝えられています。

以下の記事で取りあげましたが、1週間ほど前の時点で、非常に多くの市民が避難していることが報じられていました。

カリフォルニア州に続き、米国オレゴン州でも歴史的な山火事が拡大。現在までに州の人口の10%以上の50万人の市民が避難
投稿日:2020年9月12日

そのカリフォルニアなどアメリカ西部の山火事の煙が、「アメリカ東部に到達している」ことを CNN などが報じていました。

そして、それと共に、

「アメリカの広範囲が、高い濃度 PM2.5 に覆われる状態となっている」

ことが衛星で確認されています。

以下が、現在のアメリカの PM2.5の分布の状況です。色が赤くなればなるほど、PM2.5濃度が高いことを示します。

9月17日のアメリカの PM2.5 の分布状況

windy.com

最も濃い茶色の色のエリアは、1立方メートル中の PM2.5濃度が 300㎍(マイクログラム)を超えているような場所です。

大気や気象の状態などをリアルタイム表示している windy.com では、各地の具体的な数値も調べることができますが、カリフォルニア州では、濃度の高い場所で、1000マイクログラムに近いという異常な数値となっています。

9月17日のアメリカの PM2.5 の分布状況

windy.com

たとえば、日本の PM 2.5 濃度は、

「年平均値が 15マイクログラム以下」

となっていまして、日本での注意喚起の基準は 85 マイクログラム以上ですので、そこから考えますと、これは相当なレベルであり、アメリカではかつて経験したことのないような大気汚染の状況となっていることがわかります。

なお、人口衛星の観測によれば、このカリフォルニアなどの西海岸の山火事の煙は、ヨーロッパ、そしてロシアにまで到達していることが確認されています。

以下は、それぞれ人口衛星で観測された煙や大気汚染の状況です。

9月11日の米国からヨーロッパにかけての山火事の煙の流れ

NOAA

9月11日のヨーロッパとロシアの大気汚染濃度

11 September 2020 AAI

大きな気流の方向で大気汚染の影響が拡大しています。

今後、劇的にアメリカの山火事を沈静化させる気象条件などが訪れない限り、少なくとも、10月まではアメリカの山火事のシーズンは続きます。







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