5月18日のロシアの報道
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本来なら、夏でさえも、それほど蚊などに煩わされることのない気候のロシアですが、まだ 5月だというのに、ロシア西部の地域で「異常な蚊の大発生」が起きていることが、ロシアの各メディアによって伝えられています。
冒頭の報道では、ロシアのヴォロネジという街での蚊の異常発生を報じています。
ヴォロネジは以下の場所ですが、この周辺の多くで似た状況となっているようです。
ヴォロネジの場所
・Google Map
動画や写真などを見ていますと、本当に「そこらじゅうが蚊だらけとなっている」状況のようで、建物などの壁一面に蚊が止まっていたり、外を歩いていても「少し腕を出すと一気にそこに蚊が群がってくる」というようなことになっているようです。
壁や建物など一面が蚊だらけとなっているヴォロネジの状況
屋外で腕を出すと、何十匹もの蚊がとまってくる様子
報道によれば、「過去にこんなことが起きたことはなかった」とのことです。
ロシアでは、2013年に各地で大規模な洪水が発生した夏に蚊が発生しやすい状況となったことがありましたが、現地の人たちによれば、「その時にもこんなことにはならなかった」ということで、今の蚊の発生状況は相当異常なことのようです。しかも、今はまだ 5月で、普通ならロシアでは「蚊など 1匹も出てこない」時期でもあります。
報道では、モスクワ国立大学の生物学教授などにインタビューをおこなっていますが、なぜロシアでこんなことになっているかということについては、
・気温が平年より高いため
・降水量が多いため、水のある場所が増えているため
とおっしゃっておりました・・・が、このくらいの予測は、一般の人たちでもできるのではないかという気もしないでもないですが、それだけロシアの人たちは、蚊という存在と縁遠いのでしょうか。
個人的に思うのは、おそらく、ロシアの土地には、蚊とその幼虫(ボウフラ)の「天敵」となりうるような生物の発生システムがもともとないか少ないために、一度、蚊の大発生が始まると、収拾しようがなくなるということではないでしょうか。
そして、一度増えた蚊は、そこから爆発的に増えていきますので、今後の気温にもよりますが、この夏のロシア西部は「蚊に占領される」可能性がありそうです。そこまでなった場合には、国として対策に乗り出すことになるのでしょうけれど。
蚊の発生があまりに激しくなると、感染症の拡大との関連も出てきそうでもあります。
なお、最近のロシアは「昆虫の侵略」の事例が多く、2016年にはロシア西部でイナゴの大群に見舞われる事象が何度も発生していました。
こういうことが起きる理由は、合理的には、雨量や気温の変化、つまり気候変動的な部分と関係しているのでしょうけれど、それだけでは説明できないほど「ものすごい規模で発生する」のが最近の特徴のような気がします。
それだけに、こういうニュースの時には、「聖書的な」とか「黙示録的な」というようなタイトルの報道が出てくるのかもしれません。