11月上旬にオーストラリアで大規模な山火事が発生してから1ヵ月以上が経ちましたが、山火事は収まるどころか、火災の範囲はニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州、クイーンズランド州にまで拡大し、基本的に制御不能の状態となっています。
・BBC
12月6日の時点で、100カ所以上の場所での火災が報告されていると報じられていまして、半数以上が「手つかず」となっているようです。これまでに消失した森林面積は、200万ヘクタールにおよびます。
現在、火災はシドニーに近づいています。
スモッグに覆われるシドニー
・ceylontoday.lk
現在の状況からは、このオーストラリアの森林火災が急速に収まる可能性はあまり考えられず、火災の範囲はさらに拡大していくと見られます。
そして、建物被害や人的被害など被害は数多く報告されているのですが、自然活動家などが懸念しているのは、「コアラの絶滅」です。
英国デイリーメールは、専門家の話として、以下のような談話を紹介していています。
「ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州では、コアラの生息地の 80%が焼失し、推定で、1000頭以上のコアラが死んだ可能性があります。これは、事実上、コアラは絶滅したも同じです」
・Shutterstock
コアラは動きが遅く、山火事に非常に弱い上に、コアラが食糧としているユーカリの木は、火がつくと燃える勢いも強く火の回りが早いことで知られているのだそうです。
今後の火災の拡大によっては、コアラの絶滅という危機が現実に向かってしまう可能性がないでもないのかもしれません。