アルバニアの地震を報じる2019年9月22日のニュースより
東ヨーロッパのバルカン半島南西部のアルバニアで、9月21日、マグニチュード 5.6の地震が発生しました。
アルバニアの場所と今回の地震の震源
・Google Map
地震で崩れた壁に押しつぶされた車
アルバニアという国は、地震の少ない国で、このマグニチュード 5.6という規模の地震は、少なくとも、過去 30年間では経験のない規模の地震となるそう。
しかし、今年 6月に以下の記事で、このアルバニアでマグニチュード 5.2の地震が起きたことをご紹介しましたが、この時には、「300年ぶりの大きな地震」と報じられていました。
300年以上大きな地震が起きていないバルカン半島のアルバニアで2時間のうちに6回の地震が発生。そして、その日は「ヨーロッパを地震が駆け抜けて」いた
記録に残るアルバニアの大きな地震は、318年前の以下の地震だけです。
1701年3月19日 アルバニア・テペレナ県でM6.4の地震 死者300人
ですので、今回の地震もまた、「 318年ぶりの大きな地震」といっていいのかもしれません。
いずれにしましても、このような地震のない場所で、6月と今回の 9月と、続けて大きな地震が起きたということになります。
しかも、今回の地震の震源は、6月のアルバニアの地震の震源とはまったく違う場所であり、6月の地震の余震とは関係ないことになりそうで、どうも、東欧あたりの地質に何か「変化」が起きているのかもしれません。
マグニチュード 5.8程度の地震でしたら、耐震設計の建物が多い日本などで起きた場合は、実質的な被害はほぼ出ないですが、アルバニアでの今回の地震の被害はかなり大きかったようで、600棟を超える建物が損傷したと報じられています。
負傷者も現時点では、100人以上となっています。
2019年9月21日 アルバニアでの地震後の様子
マグニチュード 5.6の地震が発生した後も、マグニチュード 4.5以上(アメリカ地質調査所が大きな地震と定める基準)の規模の地震が、6回起きており、全体の余震は、地震発生後 24時間で 200回を超えています。
実は、2016年頃から、ヨーロッパ各地の「通常では地震のない地域での地震」が増え始めていまして、このような傾向が続いていくのかどうかはわからないですが、地質的に大きな転換の時代を向かえているということなのかもしれません。