イギリス政府は 7月19日、事前に告知されていた通りに、ロックダウンを解除しました。
イギリスは、以下のように、2020年3月から、通算で三回にわたるロックダウンを繰り返していましたが、「これまでで最も感染が急拡大している中」でのロックダウンの解除となります。
英国の感染数とロックダウンの履歴
In Deep
英国BBCは以下のようなタイトルで報じています。
英イングランド、ロックダウン政策の大半を解除 感染は増加傾向 (BBC 2021/07/09)
上のグラフのような急増を「増加傾向」と呼ぶのが正しいのかどうかはともかく、その渦中で、ロックダウンを解除したのでした。
しかし、日本では報じられていないかもしれないですが、このロックダウン解除の「数時間」に、イギリス政府は、
「ワクチンパスポート制度を 9月から発効する」
と発表したのでした。
ジョンソン首相の演説では、「大勢の人が集まるナイトクラブやその他の会場への入場条件として完全な予防接種の証明が必要となる」とのことで、フランス同様、バーやレストランを含めて、あらゆる場所でのワクチン接種証明書が必要となる可能性があるようです。
フランスのワクチンパスポート制度の内容については、以下の記事で取りあげています。
仏英のワクチンパスポートの現実…
In Deep 2021年7月15日
イギリスでの成人のワクチン接種率は 88%に達しており、また、二度のワクチン接種を完了した人の率も全体の 52%となっていますが、今回発表の「ナイトクラブ」などへの入場にもワクチン接種証明書が必要という通達は、若い層への接種をさらに進める意図があるようです。
それにしても、イギリスの「二度の完全なワクチン接種率」と、新たな感染者数の推移がまた非常にわかりやすいものとなっています。
英国の100万人あたりの新たな感染者数と、完全なワクチン接種率の推移
COVID-19 Data Explorer
二度のワクチン接種者が増えるほど、新たな感染者数も増える。
この規則については、以下の記事で取りあげています。
「結局、ワクチン接種が進んだ国でだけ感染が爆発している」 : mRNAワクチンの世界最初の発明者が自身の懸念を表明。そして日本にもやってくる究極のカオス
In Deep 2021年7月19日
イギリスの例で見ますと、二度目の接種者数が増加して、およそ 3ヶ月程度遅れて感染確認数が急激な増加を示していますので、日本の感染爆発は夏以降ということになりますかね。
いずれにしましても、1年半に及んだイギリスのロックダウンは、感染抑制とはまるで関係なく、目的は、「あくまでも大量のワクチン接種を進めること」だったことが、今回のロックダウン解除でよくわかります。
ロックダウン解除に続いて発表されたワクチンパスポート制度について、英ガーディアンの報道をご紹介します。
イギリスでは、人が集まる場所でコロナワクチン証明書の提示が義務付けられる
Covid vaccine certificates to be compulsory for crowded venues in England
theguardian.com 2021/07/19
イギリスのナイトクラブが 16か月ぶりに開場を許可された数時間後、ボリス・ジョンソン首相は、ワクチンパスポート制度を発表した。首相が発表した内容では、ナイトクラブなどの人が混雑する会場に入るにはワクチン接種証明が義務付けられることになる。
この首相の発言に対して、保守的な勢力とエンターテインメント部門からの即時の反発を引き起こしたが、しかし、すべての成人が二回のコロナワクチン接種を受けることになれば、 9月下旬から、イギリスでは Covidワクチン証明書が義務付けられると述べた。
「 18歳以上のすべての人たちに 9月末まで二回のワクチン接種を達成するためにも、大勢の人が集まるナイトクラブやその他の会場への入場条件として完全な予防接種の証明を義務づける行う予定です」と首相は言った。
イギリスでは、パイロットなどはワクチン接種証明の提示のかわりに陰性テストの証拠を示すことが許可されているが、今回の発表では、人の集まる場所に入るためには、彼らが二回のワクチン接種をしたことを証明しなければならない。
政府は、若者たちの間でのワクチン摂取の停滞を懸念している。イギリスの 18〜 30歳の約 35%がワクチン接種を受けていない、と首相は述べた。
ジョンソン氏は、若い人たちに直接語りかけ、「人生で最も重要な喜びや機会のいくつかは、ワクチン接種にますます依存するようになるでしょう」と述べた。