2016年10月31日のロシアの報道より
イタリア中部での地震が収まりません。8月24日にマグニチュード 6.2の地震が起きた後、10月26日には、その震源の近く(同じ場所ではないです)でマグニチュード 6.1の地震が発生しました。
そして、10月30日には、イタリアとしては過去数十年で最大の規模となるマグニチュード 6.6の地震が発生。これも震源は近いですが、以前の2つとは少し離れた場所です。
今回の地震で死者は報告されていませんが、度重なる中部地域での地震により建物の耐震性が弱くなっていたためか、写真で見る限りは、建物の被害は過去2度と同等か、さらにひどいようにも見えます。
2016年10月31日のイタリア中部地震の後
・TVN
・PBS
そんな中、イタリア国立地球物理学火山学研究所(INGV)が、イタリアを貫くアペニン山脈の標高に異常が出ていることを発表しています。
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アペニン山脈はイタリア半島を縦貫する山脈であり、長さ約1,200キロメートルあります。
今回のイタリア国立地球物理学火山学研究所の発表では、その中央部が、最近一連の地震活動の中で「 40センチ低くなった」というのです。
アペニン山脈の場所
・アペニン山脈
8月と 10月に起きたマグニチュード 6以上の3つの地震の震源を見てみますと、この山脈を含む一帯に影響を与えても不思議ではないような位置関係ではあります。
・GFZ
ただ、アペニン山脈の高さが低くなったのが「地震活動のため」というのは、あくまで推測であり、確定されたものではありません。
なぜなら、地震により陥没したのではなく、「地質活動は先に始まっていて、そこに地震が伴ったもの」という考え方もできなくはないからです。
10月26日の地震について書きました、
・イタリアは地震の時代に:8月に続き、またしても中部で「二時間のあいだに連続して二回の大地震」が発生
2016/10/27
という記事には、
> 「起きていることは、進行している地質活動の中での何度かの地震」
なのではないかというようなことも書いていますが、そうだとしてもそうでないとしましても、イタリア中部の地質的不安はさらに拡大しているように感じます。
今年は、ヨーロッパのふだんは地震がほとんど起きないような場所でも中規模の地震が起きることが多く、何らかの変化がわりと広い範囲で進行しているという可能性もあります。