昨日以下の記事で取りあげましたニュージーランド・ホワイト島の火山の噴火は、その後、5名が死亡し、8名が現在も行方不明となっており、当局は、すでに生存者はいない見られると見解を述べています。
この火山の噴火があったニュージーランドは、実は、ホワイト島の火山噴火の前後、同国史上としては珍しいほどの悪天候に見舞われていました。
噴火2日前の 12月7日には 11万回の落雷が記録され、12月8日には 30万回の落雷が記録されました。
そして、この 3日間での落雷数は、87万2000回となったことがニュージーランドの気象当局から発表されています。
2019年12月7日のニュージーランドでの落雷の記録
・MetService
ニュージーランドの気象サイトより
・NIWA Weather
このような数の落雷がニュージーランドで発生したことは記録にないようですが、悪天候とホワイト島の火山の噴火の時期が重なったために、インターネット上では「落雷と火山噴火に関係があるのでは?」という話も出ています。
まあ、それは何とも言えないですが、ただ、極端に低い気圧の状態が、火山のマグマ溜まり内の圧力を変化させるというような可能性はないでもないのかもしれません。
たとえば、2010年5月に発生したグアテマラのパカヤ火山の噴火の際には、やはり極めて荒れた天候の中で噴火が起きていて、国境なき医師団のウェブサイトには、その時の記録が以下のように記されています。
国境なき医師団「グアテマラ:火山の噴火と熱帯低気圧の襲来が大混乱を招く」より
5月27日の夕方に起こったパカヤ火山の噴火の被害から立ち直る間もなく、その数時間後、熱帯低気圧「アガサ」がグアテマラの人びとを襲った。
わずか2、3時間のうちに、河川は氾濫し、橋は崩壊し、道路は地滑りで寸断された。畑は水をかぶり、家々は破壊された。そして、200人近い人びとが命を失い、何万人もの人びとが避難生活を余儀なくされるか、もしくは住まいを失った。
また、1991年6月にフィリピンのピナツボ山が20世紀最大級の大噴火を起こしましたが、この時も台風の直撃の中で噴火が発生しています。
こういう歴史を見ていますと、低気圧と火山の噴火には、何らかの関係もあるのかもしれません。