異常な現象 疾病と感染症

スウェーデンでは「国民の約4割が精神疾患」ということを示す新たなデータ

投稿日:




 

10人中4人が精神疾患を経験

北欧の IF ノルディック・ヘルス・リポート、という北欧の健康状態を調査している新たなデータで、

「スウェーデンでは、10人中 4人が精神疾患を経験している」

というデータが示されたことが報じられていました。

 

相当な率ですけれど、今、世界中でメンタル疾患が拡大してはいるようで、たとえば、スイスでは、

「 2022年に突如、若い人たちの精神疾患が急増した」

ことが報じられていたことがあります。以下の記事で書きました。

[記事] スイスの歴史で前例がない「うつ病と精神疾患の増加」の報道から思い出す、スパイクタンパク質とヒトヘルペスウイルスの再活性化の関係、そして MAO との関係
 In Deep 2022年12月13日

 

特に、「 10~14歳の女性の精神疾患による入院は 2022年に、前年比 52%増加」という異様な数値を示していました。

原因は曖昧とはいえ、たとえば、2020年のロックダウンの際には、欧米などでうつ病が急増した時期があります。

[記事] 絶望の未来は今:CDCの調査でアメリカ人の3分の1がロックダウン中にうつ病を発症していたことが判明。あまりの患者の急増に「抗うつ剤の枯渇」も
 In Deep 2020年6月9日

 

しかし、今回ご紹介するスウェーデンは、「欧米の中で、ほぼ唯一ロックダウンをおこなわなかった国」なのです。

そのスウェーデンが、北欧の中でも高い精神疾患率を示しているということを知り、原因は多岐に渡るのだろうなと思います。

ワクチンは当然その要素のひとつとはいえ、スウェーデンは、そもそもいろいろと問題が多いことも確かです。

まず「地域的に、治安が極度に悪い」ということがあります。

以下の記事で、移民の増加と共に治安が非常に悪化していることを取り上げています。

[記事] ヨーロッパで始まる新しいタイプの内戦 : 手榴弾抗争が続く「スウェーデンの憂鬱」に見るこれからの世界
 In Deep 2019年11月30日

 

この記事でご紹介した報道に以下の部分があります。

> 新しい数字によると、これまで以上に多くのスウェーデン人が抗うつ剤を服用しており、現在、スウェーデンでは 100万人が抗うつ剤を服用している。

> スウェーデンの人口は、約 1000万人であり、この 100万人という数は、人口の 10分の 1にあたる。

> 2000年代初期では、抗うつ剤を服用していた人の数はこの半分以下だったsummit.news

 

抗うつ剤、特に SSRI は、メンタルの状態を悪化させることがあります。

また、メンタル疾患で処方されることの多いベンゾジアゼピン系も、メンタルの状態を悪くさせる傾向があります (気分の調節に役立つ神経伝達物質のガンマアミノ酪酸の脳内のレベルが変化するため)。

ですので、「人口の 10分の 1が抗うつ剤を服用している」というスウェーデンの現状は、「さらなるメンタル疾患の状況の悪化」を示唆しているとも言えます。

日本から見て、あまり悪いイメージのないスウェーデンですが、将来的な展望は楽観的とはいえないようです。

スウェーデンのメンタルヘルスに関するニュースをご紹介します。




 


新しい調査: スウェーデン人の 10人中 4人が精神疾患を経験している

NY UNDERSÖKNING FRÅN IF: FYRA AV TIO SVENSKAR HAR UPPLEVT MENTAL OHÄLSA
sakochliv.se 2023/06/08

新しい北欧の健康調査で、スウェーデン人の 10人中 4人が職場での労働能力に影響を与える精神疾患を経験している、または経験していたことが示された。

IF ノルディック・ヘルス・リポート 2023 は、 Kantar Sifo 社が 10月に実施した北欧の調査に基づいている。北欧の 4,032人が調査に参加した。

この調査は、精神疾患が仕事のパフォーマンスに与える影響に関して、北欧諸国間で大きな違いがあることを示している。

メンタルヘルスの問題が労働能力にどのように影響するかという点では、デンマークは近隣の北欧諸国に比べてストレスが少ないと報告している。

精神疾患による労働能力への影響に関して、スウェーデンはデンマークやノルウェーよりも低いが、同時にフィンランドよりはわずかに高い。

フィンランドでは、収入が高いほど精神疾患のレベルの低さと関連しているようだが、この関係は他の北欧の国では見られない。

この調査では、女性のほうが長期的なストレスや仕事能力に影響を及ぼす精神的健康の問題など、ストレスにさらされやすいことも示している。これは特にスウェーデンに当てはまる。

調査対象者のうち、46%が、余暇生活と仕事生活のバランスの欠如がストレスの主な原因であると述べている。

デンマークでは、精神疾患を経験した場合、21%が上司に相談する。

これと比較すると、スウェーデンでは 18%、ノルウェーでは 15%、フィンランドではわずか 9%だ。これらの国では、職場の上司よりも家族や友人に頼ることの方が一般的だ。

精神疾患を経験した場合、スウェーデン人の 37%が医療制度の専門家に相談しているのに対し、フィンランド人では 61%だった。

ノルウェーとデンマークの対応する数字は 46%だ。精神疾患を経験した場合でも、4人に1人はまったく助けを求めない。

長期的なストレスの一般的な兆候は、心配、不安、エネルギーやモチベーションの欠如などの感情的な症状だ。また、混乱やブレイン・フォグ、身体的な痛みやうずきなど、より多くの認知症状を経験することもある。

 

広義に精神疾患と呼ばれるものの影響を受けるのは?

誰でも罹患する可能性があるが、成人男性より、若者と女性の罹患率が高いことがわかっている。

北欧の健康レポートによると、スウェーデン人にとって、収入レベル、教育レベル、住む地域の違いは、メンタル疾患率の差において大きな重要性を持っていないようだ。

特に、パンデミック後に、憂慮すべきレベルのストレスが示されていると調査員のクリスティーナ・ストロム・オルソン氏は述べる。







-異常な現象, 疾病と感染症
-,

Copyright© 地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー , 2024 All Rights Reserved.