南半球はこれからが夏本番で、オーストラリアも、そろそろ「真夏」に入ろうとしていますが、そんな中、オーストラリア南部のタスマニア州で「雪が降る」という事態となり、話題となっています。
2016年11月24日のオーストラリアの報道より
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しかも、単に気温が低い傾向が続いているとか、そういうことではなく、オーストラリア南部では、その数日前まで「異常なほどの猛暑」に見舞われていて、ヴィクトリア州では 40℃などの気温が記録されていました。
メルボルンでも 35℃まで気温が上昇していた数日後に、タスマニアで雪ということになったのです。
2016年11月18日から24日の間のオーストラリア南部の気温の状況
タスマニアの夏の積雪の様子
また、この 11月24日は、オーストラリア各地では、雪の他に強風や落雷を伴う異常な悪天候が吹き荒れました。
11月24日のオーストラリアの嵐の様子
このような気象の中で、「雷雨ぜんそく」というものにより、多数が呼吸困難に陥り、3名が死亡するという事態も起きています。
「雷雨ぜんそく」で3人死亡、花粉と悪天候で発生 オーストラリア
CNN 2016/11/24
オーストラリアで花粉症のシーズンに悪天候が加わって起こる「雷雨ぜんそく」と呼ばれる重いぜんそく症状の発作で3人が死亡したことが24日までに分かった。
同国南部ビクトリア州では21日、数百人が病院の救急診療を受けた。4時間のうちに救急要請は1900回に上り、通常より60台多い救急車や警察、消防も対応に当たった。
オーストラリアのぜんそく関連の財団で理事長を務めるロビン・オールド氏によれば、雷雨ぜんそくは、ライグラスというイネ科の植物の花粉が多く飛散している時期に嵐が重なると発生する。
メルボルン大学のエドワード・ニュービギン教授は、今回の雷雨ぜんそくの患者の中には、ぜんそく発作が初めてという人も多かったのではないかと指摘する。
同大学による2500人超を対象として調査によれば、嵐の最中にぜんそく発作に見舞われた経験のある人のうち、32%はそれまで発作を起こしたことがなかったという。
ということですが、2010年にはイタリアで、オリーブの木の花粉が原因の雷雨ぜんそくが発生したこともあるそうで、この雷雨ぜんそくというものは、オーストラリアに限らず、どこでも起こり得る可能性があるもののようです。
猛暑に、雪に、悪天候。
そして、それに伴う「雷雨ぜんそく」まで発生している苛酷なオーストラリアの今年の夏が始まります。