2016年5月9日のチリの報道
上の報道に「またしても」とありますように、最近、チリの海域で海洋生物の大量死が続いています。
そのことについては何度か記事にしまして、こちらに一覧があります。
そのチリでまたも大量死が報道されています。今回の大量死はツナクラブ、あるいはマグロガニと呼ばれるカニの一種で、下のように、わりとかわいらしい甲殻類で、ザリガニをキュートにしたような雰囲気のあるカニですが、これは「深海に住んでいる」カニです。
ツナクラブ
・Digital Journal
このツナクラブが冒頭の報道のように、チリのアリカという町のビーチに大量に打ち上げられたのですが、2日後、同じ太平洋に面している米国カリフォルニア州のインペリアル・ビーチという海岸にも大量のツナクラブが打ち上げられたのです。
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5月11日に米国のカリフォルニア州に打ち上げられたツナクラブ
チリのアリカと、カリフォルニアのインペリアル・ビーチの位置は下のようになります。
そして、このカリフォルニアでは、昨年も 6月と 10月にツナクラブの大量死が起きていまして、そのことは、
・カリフォルニアにマグロガニと呼ばれる南方の深海性甲殻類が大量に打ち上がり、ビーチが赤く染まる
2015/10/16
という記事に書いたことがあります。
2015年6月17日にカリフォルニア州オレンジ郡に打ち上げられたツナクラブ
2015年10月8日にカリフォルニア州パシフィック・グローブに打ち上げられたツナクラブ
この1年間ほどの太平洋沿岸での甲殻類の大量死の多さは普通ではないですが、このツナクラブというカニが浅瀬にすむものではなく、深海に住んでいるカニだというところが、今の海の異変が「広範囲で深いところにまで影響がおよんでいる可能性」を物語っているようにも思います。
そこれから夏に向かって、気温や海水温の異常がさらに進めば、このような出来事はますます多くなるように思います。