2016年3月3日の報道より
5年くらい前に、アメリカで「 DDT などの薬剤も効かないスーパー南京虫」が大発生していることをご紹介したことがありました。
・アメリカを侵略している南京虫は DDT にも耐えられるスーパー南京虫
In Deep 2010/10/03
それから5年経ち、今度は、全米で薬剤耐性の遺伝子を持つ「スーパーシラミ」の登場が報じられています。
これもスーパー南京虫と同様に、これまで効いていた薬が効かないために、好き放題にアメリカ中に増殖していっているようです。
ちなみに、現在、アメリカの 25州で、スーパーシラミが確認されています。
下がその分布図です。
・Kyong Yoon, Ph.D.
何というか、最近のアメリカは全体として「何だか不衛生な感じがする」というような話題というか、そういうものが多いです。とはいえ、5年前にアメリカで発生が始まったスーパー南京虫は、その後、日本にもスーパー南京虫が入ってはていますし、今度は日本にスーパーシラミもやってくるのですかね。
ちなみに、シラミは、蚊やノミとは違い、感染症などを媒介しませんので、不快という以上の悪さはないのですけれど。
アメリカで発生が始まった薬剤耐性のあるスーパーシラミについて、報道をご紹介いたします。
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'Super Lice' Outbreak: 5 Things To Know About The Plague Affecting 25 States
Latin Times 2016/03/03
「スーパーシラミ」の突然の発生:全米25州に影響を与えているシラミの害で知っておくべき5つのこと
「スーパーシラミ」として知られている虫の流行は、現在、全米 25の州で進行している。
いくつかの報道では、多くの医師や科学者たちは、このスーパーシラミがいかなる薬剤に対しても耐性を持っているため、すべての人が注意するべきだと警告している。
オクラホマ州立大学の昆虫学者であるジャスティン・タリー(Justin Tally)博士は、このシラミについて以下のように言う。
「実際には、彼らは”スーパー”でもなんでもありません。単に、前の世代から使われていたペルメトリン(昆虫やダニに対して広く効果を示す殺虫剤の一種)に、次第に耐性をつけていき、現在に至っているだけなのです」
昆虫に対しての駆除剤である合成化学物質ペルメトリンは、過去四半世紀の間、ほとんどの昆虫類に対して非常に有効であった上に、人間やペットに対しては、低い毒性だったために、広く使われてきた。
タリー博士は言う。
「しかし、時間の中で、ペルメトリンから生き残ったシラミたちは、次第に薬に対しての耐性を得て、そのようなシラミが次の世代のシラミとなっていったのです」
スーパーシラミの流行について知っておくべき5つの事柄を記す。
1. 2015年以来、ペルメトリンなどの伝統的な薬剤で殺すことができないシラミが 全米 25州を襲っている。
「私たちが発見し、テストした 109匹のシラミ集団のうち 104匹がピレスロイドに対する耐性に関連している遺伝子の突然変異の高いレベルを持っていました」と、医学博士のキョン・ユン博士は述べる。
2. シラミは確かに不快だが、悪いニュースばかりではない。アメリカ疾病予防管理センター( CDC )によれば、シラミは、病気を媒介する虫ではない。また、シラミは這って進むが、飛んだり、飛び跳ねたりすることはできない。
3. スーパーシラミがどのように拡散していったか。それは人の髪の毛の直接接触によって広がった。また、CDC はもクシや帽子、ヘアブラシ、枕、ヘルメットなどの共有を避けるべきであることを示している。
4. シラミは暗闇の中で最も活発に動き回るため、睡眠中に、皮膚や頭皮などのただれ、かゆみなどで睡眠が阻害されることがある。
5. 完全な治療法が存在する。それは、アメリカ食品医薬品局( FDA )が承認したエアーアレ( AirAlle )を使ったシラミ治療所での治療で、使用は 170ドル(約 19,000円)だ。
シラミ治療器 AirAlle