太陽活動と宇宙 異常な現象

急速に復活した黒点活動の中で、不安定な磁気フィラメントも多数出現し、太陽で何らかの爆発が起きる可能性が高まる

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黒点活動領域と磁気フィラメントが同時に多数出現

spaceweather.com




ある程度のコロナ質量放出の発生が近い模様

太陽活動は現在、活動の極大期、つまり平均の黒点数が最大に達する時期に近づいているのですが、11月の中旬くらいに、突然、黒点活動が弱体化したときがありました。

以下のようになり、「黒点ゼロ」の状況が現出してもおかしくない状態となっていました。

2023年11月17日の黒点状況(黒点数28)

spaceweather.com

しかし、その後、あっという間に黒点活動は復活して、6日後には以下のように、またも「黒点だらけ」という感じとなったのでした。

2023年11月23日の黒点状況(黒点数174)

(記事)たった数日間で太陽黒点の数が約10倍に増加
BDW 2023年11月24日

 

こういう上下はありながらも、現在、太陽のエネルギーそのものは、どんどん増していることが、太陽の「放射量」からわかります。

2019年3月に以下の記事で取り上げましたが、この 4年前の時点では、太陽放射量は「過去 40年などで最低」にまで達していました。

(記事)現在の太陽は「過去41年間で最も暗い状態」であることが判明。そして、今後もますます暗くなっていくと予測されます
In Deep 2019年3月2日

 

この頃の私は「今後、太陽活動は弱くなっていく」と考えていましたので(私の太陽活動の予測に関しての最大の思い違いでした)、タイトルに、

> 今後もますます暗くなっていくと予測されます

などと書いているのですが、実際に起きたことは「真逆」でした。

この 2019年3月頃が放射量が最低で、その後は、全体的な推移としては急激なペースで上昇していきました。

太陽放射量の推移

colorado.edu

 

太陽エネルギーは、波はありながらも、まだまだ上昇傾向にあるように見えます。

そして、最近、冒頭の写真にありますように、多数の黒点の活動領域と共に「磁気フィラメント」が、わりと多く太陽表面に出現していることをスペースウェザーが伝えています。

磁気フィラメントは、黒点とは関係ないものですが、「独自でCME (コロナ質量放出)を伴う爆発を起こすことができる」ものです。磁気フィラメントが起こす太陽フレアは「ハイダーフレア」と NOAA (アメリカ海洋大気庁)は呼んでいますが、CME (コロナ質量放出)を伴う爆発になれば、黒点によるフレアと同じように、大量の磁気を放出します。

ハイダーフレアについては、以下の 13年くらい前の記事に、当時のスペースウェザーの解説を訳しています。

(記事)太陽のフィラメントが起こす壮大な「ハイダーフレア」
In Deep 2010年02月24日

 

ともかく、現在、冒頭のような太陽表面になっているために、不安定な状態が何日か続くようです。

現在出ている黒点のいくつかに、X フレアを発生させる磁場を持つものもあり、ある程度の規模の太陽フレアが発生する可能性はあるのかもしれません。現状の黒点の状態ですと、そんなに大きなものにはならないでしょうが、磁気フィラメントの爆発と複合した事象になれば、地磁気の影響は比較的大きなものとなる可能性もあります。

これについて、スペースウェザーの記事です。


太陽で何かが爆発しようとしている

SOMETHING IS ABOUT TO EXPLODE ON THE SUN
spaceweather.com 2023/11/24

何が起こるだろうか? 現在、太陽の表面には、黒点の活動領域と不安定な磁性フィラメントが点在している。

インディアナ州エバンズビルのマイク・ボーマン氏が撮影したこの画像には、爆発現場となる可能性があるもののいくつかが示されている。

ボーマン氏の写真にある暗い斜めのフィラメントの磁性はすべて不安定なものとなっており、CME (コロナ質量放出)を宇宙空間に飛ばす可能性がある。

ただし、最も危険な爆発の可能性のある場所は丸で囲まれた場所だ。

これらは、X フレアを発生させる脅威となる「デルタクラスの磁場」を持つ黒点群だ。混合された磁気極性が衝突し、強力な X クラスの太陽フレアを発生させるに適した条件を作り出している。

このような爆発が今後数日内に起こった場合、これらの黒点は地球に面しているため、影響を受ける可能性は高くなる。







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