防災科学技術研究所が6月11日に発表したプレスリリースより
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地震や火山、気象などについての研究をおこなっている国立の研究開発法人、防災科学技術研究所が 6月11日、
「千葉の房総沖で 6月初めに初めにスロー地震を検出した」
というリリースを発表していました。
リリースの冒頭は以下のようなものです。
房総半島沖で「スロー地震」を検出
国立研究開発法人 防災科学技術研究所は、房総半島沖において地震が群発的に発生し、これと同期して通常とは異なる地殻変動があることを検出しました。この地震活動・地殻変動の原因となっているのは、房総半島沖において約2-6年間隔で繰り返してきた「スロー地震」と推定されます。
スロー地震というのは、スロースリップとも言われていて、揺れを伴わずに断層が動く、一種の「地殻変動」のことです。
今回のこの事象により、房総沖で、約 1センチメートルから 6センチメートル(メディアによって数値が違う)ほど断層が動いたようです。
この房総沖では、数年ごとに地殻変動が発生していますが、そのたびにある程度の規模の地震が発生してきました。
最近では、2007年に発生したスロー地震の後に千葉沖で最大震度 3の地震、 2014年には最大震度 5弱の地震が発生しています。
今回も、実はこれを書いている時(6月12日午前)に、この千葉沖を震源とする地震が発生していまして、これまでと同じパターンとなっています。
2018年6月12日午前5時の千葉県沖の地震
・地震情報
この地域では、しばらく、ある程度の地震のは発生が続くと思われます。
また、房総沖では過去にもかなり大きな地震も起きています。記録に残っている房総沖での巨大地震は以下のようになります。
過去500年ほどの間の房総沖での巨大地震
・1590年 03月21日 マグニチュード不明
・1655年 05月02日 マグニチュード不明
・1605年 02月03日 マグニチュード 8 (推定)
・1677年 11月04日 マグニチュード 8 (推定)
・1909年 03月13日 マグニチュード 7.5
・1953年 11月26日 マグニチュード 7.4
・1984年 09月19日 マグニチュード 6.6
今回のスロー地震については、NHK の報道から抜粋しておきたいと思います。
千葉県東方沖 プレートが緩やかに動く 念のため地震に注意
NHK 2018/06/11
千葉県の東方沖で、地下のプレートの境界がゆっくりとずれ動く「スロースリップ」と呼ばれる現象が起きていることがわかりました。
過去にはこの現象に伴い、震度4前後の揺れを観測する地震も起きていて、専門家は、念のため今後の地震活動に注意するよう呼びかけています。
政府の地震調査委員会が6月11日に開いた会合で、国土地理院や防災科学技術研究所の観測データが示され、房総半島では今月に入り、GPSによる観測で地盤が南東におよそ1センチずれ動く変化が捉えられたということです。
地震調査委員会によりますと、千葉県東方沖やその周辺では海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいて、これらのプレートの境界がゆっくりとずれ動く「スロースリップ」と呼ばれる現象が起きているということです。
この現象は数年おきに発生し、周辺の地震活動が活発になるということで、最近では4年前の平成26年1月に千葉県で震度3の揺れを観測する地震が2回起き、平成19年8月には震度5弱の揺れを観測する地震も起きています。