2016年11月3日のロシア・タス通信より
ロシア連邦を構成する共和国のひとつにダゲスタン共和国という国がありまして、ここは世界最大の湖であるカスピ海に面しています。
カスピ海とダゲスタン共和国
・Googla Map
このダゲスタン共和国のカスピ海沿岸で「 300頭以上のアザラシが大量に死亡しているのが発見された」ということがロシアで報じられていました。
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カスピ海には、固有種として「カスピカイアザラシ」が生息していまして、今回、大量死を引き起こしたのは、このカスピカイアザラシと思われます。
このカスピカイアザラシは、特に生後3週間以内の赤ちゃんは真っ白の毛で覆われていて、かなりカワイイものです。
カスピカイアザラシの赤ちゃん
ロシアのタス通信の報道によりますと、11月1日、アザラシが大量に死亡しているという報告を受けて、当局が調査に行ったところ、少なくとも 317頭のアザラシが死亡しているのが発見されたということです。
死亡したアザラシたちは、死後2週間ほど経っていると思われる状態で、そこから死因を突き止めることは難しく、原因は不明となっています。
死因の推測としては、
・悪天候
・感染症
・カスピ海での軍事演習
などがあげられていますが、どれも確定的な証拠はなく、また、これまでにこのような大量死が起きたことが報告されていないために、今後も調査が続けられると見られます。
カスピ海は、大量死に関しての報道はあまり出ないところでして、記憶にあるのは、2011年にカスピ海のイラン側の沿岸で発生した魚の大量死くらいです。
2011年1月14日のアゼルバイジャンの報道より
・Mass fish death recorded in Caspian Sea
この時は、上のアゼルバイジャンの報道では、「イランによる生物細菌兵器のテストである可能性」が指摘されていました。
いずれにしましても、水質の変化に敏感な魚の大量死は世界中で頻繁に発生しますが、アザラシのような大型生物が 300頭以上同時に死亡しているというのは、それほどあることではないです。
何らかの環境の大きな変化があったのでしょうけれど、それは一体何だったのか。