2016年8月31日のロシア報道
北海道や岩手県などに大きな被害を残した台風10号(アジア名:ライオンロック)が、温帯低気圧となった後に、ロシアの沿岸州に達し、ロシアでも豪雨と洪水に見舞われました。
沿岸州とはロシアの極東地域で、以下の場所にあります。
ロシア沿岸州の場所
・Google Map
台風10号の進路
・気象庁
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この豪雨に対して、ロシア沿岸州政府は非常事態を宣言し、対応に当たっているとのこと。
広範囲で洪水が広がる沿岸州の村
この「元台風 10号」の温帯低気圧の北海道・東北での被害の程度は知られていましたし、また、この低気圧がロシアに接近することも事前に予測されていたため、あらかじめ、兵士、消防士などが、救助にすぐ入ることができる準備をおこなっていたようです。そのため、それほど混乱は広がらなかったようです。
救助活動中の消防士たち
今回の台風 10号は、ロシアに上陸した時には、すでに温帯低気圧となっていましたが、それにしても、このようなコースでロシアまで到達する低気圧は、過去ほとんどなかったと思われます。
過去の台風で、日本からロシアに達したものとしては、昭和31年の台風第12号 (1956年)と、昭和54年の台風第20号 (1979年)の例があるくらいのようで、そのうち、沿岸州に達したものは、1956年の台風 12号だけだと思われます。
その台風は下のようなコースを辿りました。
この場合も、西日本からロシア沿岸に向かっていまして、今回のように「東北からロシア」というコースをとったものは、観測史上初めてではないでしょうか。
かつてほとんどなかった実に稀少な天候の事象を目撃したということになるのかもしれません。
そして、全体の大気の流れがグチャグチャになっている今なら、このような常軌を逸したコースの悪天候はさらに起こり得ると思われます。