世界中での異常気象は今に始まったことではないですけれど、年々その影響は拡大し続けています。
最近のアメリカは「極端な熱波と極端な寒波が交互に訪れる」という農作上あまり良いとはいえない気候が続いていますが、最近、アメリカ農務省のデータを見て驚いたのが、
「干ばつの進行の激しさ」
でした。
以下は干ばつの現在の状況ですが、色分けの区分のうち、下段3つの、オレンジから茶色の干ばつの状況は、特に農作への影響が大きなものとなるレベルです。
2021年7月27日の米国農務省のデータよりアメリカの干ばつの状況
usda.gov
干ばつのマップを見ますと、「アメリカの西半分は、ほとんど激しい干ばつに見舞われている」ことがわかります。
農務省のデータをさらに見てみますと、農作物の一部の生産地域が「ほとんどこの干激しいばつ地域に集中している」ものがあることがわかるのです。
アメリカ農務省のデータは以下にあります。
たとえば、アメリカの「春小麦」の生産地の 99パーセントは干ばつ地帯に集中しています。
他にも以下のような生産物の大部分が、干ばつ地域に生産地が集中しています。
干ばつの影響を受けている農作物
・ヒマワリ 生産地の 86%が干ばつ地帯に
・デュラム小麦 生産地の 99%が干ばつ地帯に
・大麦 生産地の 84%が干ばつ地帯に
・アルファルファ 生産地の 86%が干ばつ地帯に
などとなっていまして、春小麦、大麦系の生産がかなり影響を受けている可能性があります。
干ばつの進行状況を見ますと、今年春から状況が悪化していることがわかります。
ヒマワリというのは、観賞用ではなく、ヒマワリ油の原料としてのことで、世界的には、ヒマワリ油は、ダイズ油、パーム油、ナタネ油に次ぐ植物油です。
もちろん、干ばつの影響を受けていない作物も多くあります。
それらの生産地は、中央部から東部にあるものです。
干ばつの影響をあまり受けていない農作物
・トウモロコシ 生産地の 36%が干ばつ地帯に
・ピーナッツ 生産地の 0%が干ばつ地帯に
・コメ 生産地の 20%が干ばつ地帯に
・大豆 生産地の 30%が干ばつ地帯に
これらは、干ばつの影響はあまり受けていないようです。
ただ、7月31日から 8月中旬くらいまで、アメリカの東部から中部などが「夏としては記録的な寒波」に見舞われることが予測されていまして、干ばつの影響を受けていない地域でも、極端な寒波による影響があるかもしれません。
ニューヨーク州などでは、真夏にも関わらず、10℃以下の気温になることが予測されています。
以下のマップは、8月2日の予測ですが、濃い青で平年より 4℃から 6℃低く、紫の場所では、平年より 10℃以上気温が低くなるという予測がなされています。
アメリカだけではなく、世界の多くの国や地域でこの数年の天候や気温の異変により、農業はダメージを受け続けていまして、それに加えて、一部の国ではコロナによる再度のサプライチェーンの混乱も予測されていたりしまして、今年後半から来年、再来年は食糧供給が厳しくなる可能性もあるのかもしれません。