2019年5月11日のスペースウェザーの記事より
5月10日にカナダ・アルバータ州にあるカルガリーで「青いオーロラ」が撮影されたことがスペースウェザーで報じられていました。
青いオーロラの写真を見るのは、私はこれが初めてだと思います。
2019年5月10日 カナダのカルガリーに出現した青いオーロラ
これほど青いわけではないですが、この翌日も、カナダでは以下のようなオーロラが観測されています。
5月11日にカナダで観測されたオーロラ
地球でのオーロラは、その大部分が「緑色」で、稀に他の色のオーロラも出現し、特にピンク色のオーロラなどは稀少で美しいものです。
以下の写真は、2017年にノルウェーに出現したピンクのオーロラです。
2017年11月22日 ノルウェーに出現したピンクのオーロラ
しかし、青いオーロラは本当に珍しいと思います。
スペースウェザーの記事では、そのことを含めて説明されていましたので、ご紹介させていただこうと思います。
ただ、青いオーロラが発生するメカニズムはわかっても、今回、なぜ青いオーロラが出現したのかについては「不明」としています。
Rare Blue Auroras over Canada
spaceweatherarchive.com 2019/05/11
カナダ上空の珍しい青いオーロラ
オーロラは通常は緑色であり、時には赤色のオーロラも出現する。これは、地磁気嵐の間に酸素が宇宙から降ってくる電子にぶつかったときに見える色がそのようになることによる。
しかし 5月10日の夜、カナダ・アルバータ州カルガリーのハーラン・トーマスさんは、緑でも赤でもないオーロラを目撃した。
それは青いオーロラだった。
写真を撮影したトーマスさんは、このように述べる。
「これらの素晴らしい青いオーロラの柱の光景は、この世のものとは思えないほどのものでした」
オーロラにおいて、青は窒素を示す。非常に高い高度でイオン化された分子状窒素(N2 +)に衝突する宇宙からの高エネルギー粒子が、オーロラの色彩としては見られることがほとんどない「青い輝き」を生み出した可能性がある。
この日のオーロラは、太陽で発生したコロナ質量放出(CME)の影響によるものだった。
CME は、5月6日に太陽黒点 AR2740 で発生したフレアにより作り出された。
その後、この CME は、地球の方向に進んだ。
5月10日に CME は地球に到達し、G1クラスの地磁気嵐を引き起こした。この日は、磁気嵐の影響で、オーロラはカナダの一部だけでなく、ミシガン州やミネソタ州などの米国でも見られた。
青いオーロラは、強く激しい地磁気嵐の間に出現する可能性が最も高い。
しかし、今回の磁気嵐は、比較的弱いものだったものにも関わらず、なぜ、窒素を示す青が示されたのかは不明だ。
ここまでです。
極小期に入りつつある太陽活動ですが、この数日、黒点活動がやや活発で、このスペースウェザーの記事にある 5月6日の太陽フレアの後、5月11日にも太陽フレアによる CME が発生して、そのエネルギーは今、地球に向かっています。
スペースウェザーの記事によれば、5月14日から 15日に地球は再び磁気嵐に包まれるようですが、大きなエネルギーの CME ではないので、影響はそれほどないと思われます。
ただ、何だかちょっと太陽の活動が不安定な感じもしないでもない最近です。
今後しばらくの太陽の動きに注目したほうがいいかもしれないですね。